公開日 : 2022年12月13日(火)

最終更新日 : 2022年12月13日(火)

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注文住宅の木造と鉄骨造を比較!メリット・デメリットについて

注文住宅において悩ましいのが「木造」と「鉄骨造」のどちらがいいのかということ。
失敗したくないだけに、慎重に選択する必要があるでしょう。
もちろん迷ったときは、施工管理を担当してくれるスタッフや職人さんに相談するのも手ですが、できれば自身で納得して選びたいですよね?

今回は、「木造」と「鉄骨造」の特徴について徹底解説します。
それぞれのメリットとデメリットを把握して、自身のこだわりポイントや快適に過ごすための条件と照らし合わせ、ぴったりな注文住宅スタイルを選択しましょう。

木造の注文住宅の特徴

木造の注文住宅は、柱や壁などのほとんどが木でできています。
日本は昔から建物と木において強い結びつきがあり、災害に耐えられるほどの強度をほこる建築技術や建築技法を編み出してきました。
現代でも木のにおいや温かみのある外観や内装から、注文住宅の建設において木造を選ぶ方もいらっしゃいます。

注文住宅で木造を選択した場合のメリットやデメリットについて解説します。

木造の注文住宅に住むメリット

木造は、カフェ風のリビングや暖かい色合いの玄関など、比較的自由にデザインができます。
雑誌に掲載されている、あこがれのシンプル住宅を思い描いているならば、木造の注文住宅がおすすめです。
そのほか木を主な材料とした建物には、以下のようなメリットがあります。

◆施工費用が比較的安価
木で建てる木造建築ならば、ほかの注文住宅のスタイルにあたる鉄骨造やRC造よりも、施工費用が安価になりやすいです。
できるだけ施工費用を抑えたい場合は、木造がおすすめといえるでしょう。

◆断熱性に優れている
断熱性に優れているため、夏は涼しく冬は室内の温度を外へ逃がしません。
材質別の熱伝導率を計測し、表にまとめたものが以下の通りです。

材質別の熱伝導率を計測表

【引用】「一般社団法人 日本木製サッシ工業会」(http://www.j-wwi.jp/handbook/handbook01.htm

右の数字が低いほど熱伝導率が低いことを表しており、断熱性に優れているということです。
ほかの材質と比較すると、木材の断熱性が圧倒的に優れていることがわかります。
また注文住宅において頻繁に利用されるスギやヒノキの断熱性は、木材のなかでも特に断熱性に優れています。

◆耐火性に優れている
木造の建物は燃えやすく、倒壊しやすいイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし実は、木には一定以上の厚みを持つと燃えにくくなるという性質があります。
そのため木造の建物のなかでも、壁が薄い場合は燃えやすく倒壊しやすいですが、新しく建設する注文住宅は木材に厚みがあるため、燃えにくく倒壊しにくいです。

◆調湿性と通気性に優れている
木には、水分を吸収したり放出したりする性質があります。
そのため夏は室内の湿度が上がりにくく、冬はわずかな水分を含んで湿度を調節し、乾燥を防いでくれます。
まさに高温多湿な日本の気候にあっているといえます。

木造の注文住宅に住むデメリット

一方で、木造の注文住宅にも木ならではのデメリットがあります。

◆木の品質にムラが出る場合がある
木は自然に生えるものですから、1本1本材質や強度が異なります。
また木材の多くは職人により現場で加工されます。
そのためある程度、加工を担当する職人の技術に依存することになります。
木材の質を見極めるには、以下の数値を確認する方法がおすすめです。

耐震等級:耐震性がわかる
C値:数値が小さいほど気密性に優れている
UA値:数値が小さいほど断熱性に優れている

◆シロアリ対策が必要
シロアリは、建物に使用する木材を好んで食べます。
対策を行わずに放置すると、柱に穴が開いたり木材が腐食したりする恐れがあり危険です。
床下にコンクリートを敷き詰める技法によりシロアリの被害は減少傾向にありますが、防蟻対策が施された木材を使用すると安心です。

建築技法ごとの特徴

木造住宅には、主に2種類の建築技法があり、それぞれにもまた長所があります。
注文住宅を木造にするか鉄骨造にするか検討する際は、木造の建築技法の違いについても把握するとよいでしょう。

◆木造軸組工法(在来工法)
建物を支える骨格、つまり柱と梁を木材のみで組んで構成し、そこに壁や床を貼り付けたり敷き詰めたりする技法です。
昔から利用され続けた技法のため「在来工法」とも呼ばれます。
現在でも木造住宅の多くが「木造軸組工法(在来工法)」の技法を用いて建てられています。

主なメリットは、間取りの自由度が高いことが挙げられます。
木材を組んで建てるため、部屋の広さや形を自由に組み立てることができ、木材自体の長さも調節できるため、複雑な形や間取りなどもある程度なら実現できます。
また窓や扉などの開口部が大きく設定できるという特徴もあります。
木材同士を組む技法なら開口部の大きさを自由に調節でき、大きな窓や両開きの扉なども設置できます。

そして、木造軸組工法(在来工法)を得意とする施工業者はたくさんいらっしゃるため、選択肢の幅が広い点も魅力です。
依頼したいにもかかわらず、引き受けてくれる施工業者が近所にいないため、やむをえず遠方まで相談に行くという事態が避けられるでしょう。

◆木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
あらかじめ木材をフレーム状に組み立てておき、合板や面材をフレームに取り付けて一つの材料とします。
この材料を組み立てることで建築する技法を木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)といいます。
ツーバイフォーとは「2インチ×4インチ」のことをいい、フレームとして使用する木材が「2インチ×4インチ」のためこのように呼ばれます。
また在来工法よりも歴史は浅く、1990年代後半に導入されてから利用されるようになりました。

主なメリットは、耐震性に優れていることが挙げられます。
建物を面で支えるため、外部からの圧力を面で分散して地盤に流す仕組みになっています。
そのため耐震性に優れ、地震大国でもある日本において心強い建築技法といえるでしょう。

また、さらに強力な耐火性がつきます。
というのも、「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」で用いられている木材は、約30分間の火災に耐えられるほどの防火性能を誇り、大きな火災が発生しても、火の進行を遅らせることができます。

さらに「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」は、フレームや面材を用いて作られるため、ほぼ同じ材料で建築することができます。
つまり、「木造軸組工法(在来工法)」と比較すると、木材の品質にムラが出にくく、施工精度が高い住宅に仕上がります。

鉄骨造の注文住宅の特徴

鉄骨造といえば、防音効果が高いとしてマンションやアパートを探している方に人気のある住宅スタイルです。
しかし注文住宅においても、近年から鉄骨造を選択する方が増えています。
実際に下記のグラフから、木造の注文住宅が減少し、鉄骨造に注目が集まっていることがわかります。

木造住宅の新設着工戸数の推移

【引用】「国土交通省」(https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

注文住宅で鉄骨造を選ぶ場合のメリットやデメリットについて解説します。

鉄骨造の注文住宅に住むメリット

安定、頑丈のイメージのある鉄骨造には、以下のようなメリットがあります。

◆材料が工場生産のため品質にムラがない
鉄骨造は、木造とは異なり材料が工場で大量に生産されます。
均一につくられるため、職人によるスキルへの依存度が低く、ムラのない均一性のとれた住宅が出来上がります。

◆耐震性・耐火性に優れている
鉄骨で作られた建物は、非常に強力な耐震性と耐火性を誇ります。
大きな地震が起きても、簡単に倒壊することはありません。
さらに「耐火被覆」という処理を施すことで、法定耐用年数が34年と長持ちするほど丈夫になります。

◆間取りのデザインの自由度が高い
鉄骨の一つ一つが強い強度を持っているため、少ない材料で住宅が建てられます。
そのため複雑な形の間取りや柔軟性のある形など、細部まで理想に近づけることができます。

鉄骨造の注文住宅に住むデメリット

一方で、鉄骨の材質ならではのデメリットもあります。

◆内部結露起こりやすい
鉄骨は、木とは異なり水分を吸収したり放出したりする性質がありません。
そのため湿度のコントロールが適切に行われず、屋内に湿気がたまりやすくなります。
防錆対策を施さなければ、腐食して建物全体の強度にかかわる恐れがあります。

◆夏は暑く、冬は寒くなりやすい
鉄骨には木材のような通気性がなく、気密性や通気性がありません。
またコンクリートにもある断熱性も持たないため、外部や内部からの温度の影響を強く受けやすいです。
そのため室内で冷暖房を使用した際、効率的に暖かくしたり涼しくしたりしにくいといえるでしょう。

◆施工管理におけるコストが高い
鉄骨一つ一つに重量があるため、支えるためにはそれなりに強度が高い地盤が必要です。
強度の高い地盤を作るためには高度な基礎工事や改良工事が必要になり、コストがかさみます。
そのため、総工費が木造と比べて割高になる場合がある点に注意が必要です。

建築技法ごとの特徴

鉄骨造の注文住宅を立てる際には、主に2種類の材料から作られます。
材料の違いにより適した作りがあるため、特徴を把握して、自身が理想とする注文住宅はどちらで建てるべきなのか把握しておきましょう。

◆重量鉄骨造
「重量鉄骨造」は、厚さ6mm以上の鉄骨を用いて建てます。
鉄骨同士を梁と柱として接合しながら組み立てていくため、非常に頑丈で柱の数も少なくて済みます。
主に3階建て以上の高さのある建物に適しています。

◆軽量鉄骨造
「軽量鉄骨造」は、厚さ6mm未満の鉄骨を用いて建てます。
木造と同様に、鉄骨同士を組みながら建てていくことが多く、平屋など低い建物に適しています。

まとめ

注文住宅における「木造」および「鉄骨造」の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
双方ともに一長一短ですが、正しい知識を持ち自身で納得したうえで選ぶことが大切です。
また、予算や自分が思い描いている間取りを叶えられるかで決めたほうが、長い目で見て快適に過ごせるでしょう。

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