公開日 : 2023年3月27日(月)

最終更新日 : 2023年3月27日(月)

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注文住宅の内装を塗り壁にするメリットや特徴を徹底解説!

塗り壁といえば、外壁に施すというイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

確かに、耐久性があり独特値見た目のデザインは、外壁塗装として重宝されています。

しかし注文住宅における内装にも、積極的に利用されていることはご存じでしょうか?

今回は、注文住宅の際におすすめしたい塗り壁の魅力や素材の特徴、設計を依頼する際の注意点について解説します。

これから注文住宅の内装を検討される方は、ぜひ参考にしてください。

内装の塗り壁とは?

塗り壁は歴史が古く、職人さんのパテ使いによる独特な見た目から、実際にお城や倉の壁にも使用されています。

もちろん見た目以外にも、使用している素材のおかげで様々なメリットや魅力があるのが塗り壁です。

塗り壁の特徴や、使用する素材別の特徴について解説します。

塗り壁の魅力やメリット

塗り壁は、壁の土台に土・草・水などの自然素材を混ぜて作った材料を手作業で塗った壁のことです。

自然由来の素材を用いているため、体に優しい内装のデザインともいえます。

そんな塗り壁には、以下のような魅力があります。

◆体に優しい

体に優しい素材を用いることは非常に重要です。

なぜなら、新築の物件に住む方のなかには、まれに「シックハウス症候群」により体調を崩す方がいらっしゃるためです。

「シックハウス症候群」とは、建材等から発生する化学物質などが室内空気を汚染し、健康被害をおよぼす症状のことです。

具体的には、目がチカチカしたり頭痛や湿疹が起こったりするなど、人により症状が異なります。

最近では大きく見直されて健康被害をおよぼさない建材の開発が進んだため、「シックハウス症候群」の発症は減少傾向にはありますが、いまだ症状を発する方は絶えません。

そのため小さなお子さんや、大切な家族がいるご家庭では、自然の素材のみ用いられる塗り壁がおすすめです。

◆調湿作用がある

塗り壁には、使用する素材のおかげで空気の湿度を下げる効果があります。

湿度が下がることでダニやカビの発生が防げ、家の中を過ごしやすい環境にしてくれます。

またアレルギー物質の抑制にもつながるため、アレルギー体質の方がいらっしゃる場合にも最適です。

ほかにも臭いを吸収してくれる効果もあるため、ペットを飼っている家庭にもおすすめです。

さらには断熱性効果もあり、夏場の暑い日でもカラッとした空気が流れるため、一年中快適に過ごせるでしょう。

◆塗り壁ならではの風合い

塗り壁は、職人さんの手作業によりつくられます。

そのため、通常の壁紙にはない独特な風合いや質感が楽しめます。

どんなみ見た目がよろしくない壁でも、塗り壁の風合いを付けるだけで、印象がガラリと変わります。

実際にリフォームやDIYでも人気で、人それぞれ異なる味わいが出せるのも塗り壁の魅力です。

塗り壁の素材と特徴

塗り壁を注文住宅の内装に取り入れるなら、使用できる材料について把握し、特徴について理解を深めたほうが良いでしょう。

そして可能なら実際にそれぞれの素材が使われた塗り壁の家に訪れ、風合いや空気感などを体感することをおすすめします。

◆漆喰(しっくい)

石灰石を焼いて作られた生石灰に水を混ぜて作った消石灰を使用します。

調湿性や消臭性が高く、空気中に含まれる有害物質を吸収し、分解する能力があります。

やわらかい材質でさらっとした触感のため、比較的塗りやすく伸ばしやすいと言われています。

あえてきっちり平らに押さえて仕上げることで、美しい見た目になります。

基本は白色ですが、顔料を混ぜて好きな色で塗ることができます。

◆珪藻土(けいそうど)

植物プランクトンの死骸が湖底や海底に蓄積され、化石化してできた土を使用します。

しかし珪藻土自体には固まる性質がないため、固化材が含まれた状態で販売されています。

固化材の種類や配合により、固まり具合や滑らかさが異なります。

断熱性や有害物質の吸収性に優れており、出来上がりの具合は固化材の配合により大きく異なります。

粘り気がありほどよく伸びますが、こちらも固化材の配合分により大きく異なります。

色は主に、肌色のようなマットな色合いが多いです。

◆合成樹脂

アクリル樹脂などが配分された材料です。

DIYにおいて特に人気が高く、伸ばしやすくかつ塗り付けやすいため、さまざまな模様が付けられやすいです。

また耐候性が強くかつ吸着性も高いため、外壁や内装、カウンターなどさまざまな用途や場所に使用されています。

カラーバリエーションが非常に多い点も魅力です。

◆ホワイトセメント

セメントに好きな色を着色して使用します。

もっともコストが安く、耐候性があります。

合成樹脂と比較すると伸ばしにくく塗りつけにくいですが、メルローズ(保水剤)を加えることで緩和できます。

基本は白色ですが、着色剤を混ぜることで好きな色に仕上げられます。

セメントを使用しているため、乾きが早く手早い作業が必要な点には注意が必要です。

◆ジョリパット

アイカ工業が販売している、塗り壁の素材です。

デザインの幅が広く、安価で扱いやすいため、これからDIYを始めようという方に人気です。

ざらざらとした手触りに仕上がりますが、表面上で加工を施せば、ツヤのある違った見た目になります。

また表面に模様や立体感などが付けられるため、まるでプロが作ったかのような、デザイン性が高い見た目にできます。

実際に、現在では住宅だけではなくホテルや商業施設などでも頻繁に利用されるようになりました。

◆モルタル

モルタルとは、通常のセメントに砂と水を加えて練り直したものです。

別名「セメントモルタル」や「プレーンモルタル」とも呼びます。

モルタルといえば、住宅の破損個所における補修や仕上げ用途に利用されています。

また、タイル張り、ペンキの塗装やブロック塀の下地に使用されることも多いですが、あえて壁に塗ってデザインを楽しむ方もいらっしゃいます。

塗り壁とクロスの比較

注文住宅の内装を検討する際、特に迷うものが「クロス」です。

クロスとはいわゆる壁紙のことで、お気に入りのデザインの壁紙をお部屋の壁に貼り付けます。

塗り壁とクロスを比較すると、以下のようになります。

塗り壁クロス
工期長い(数日~数週間)短い(一日)
費用高価安価
メンテナンス必要ほぼ不要
メリット独特な風合いかつ耐候性が高いデザインが豊富で工期が短い
デメリットひび割れが起こる可能性がある湿気や感想が起こりやすいつなぎ目の部分からはがれてくる

クロスは安価なうえ、デザインのバリエーションが豊富なため非常に魅力的です。

しかし塗り壁も、手作業でなければ真似できない独特な見た目や雰囲気を施してくれますし、何より自然由来の素材のため、体にも家にも良いでしょう。

迷われている方は、クロスの部屋と塗り壁の部屋と両方設定してはいかがでしょうか?

注文住宅の内装を塗り壁にする際の注意点

せっかく理想の注文住宅を建てるのですから、独自性が高い、非日常的な空間を演出したいものです。

そんなときには塗り壁がおすすめなのですが、注文住宅に取り入れる際には注意点があります。

汚れやすく掃除しにくい

表面塗り壁は表面に凹凸があるため、汚れが付きやすく掃除がしにくいといった特徴があります。

そのため、キッチンやダイニングのような汚れが付きやすい場所には不向きです。

ただし、漆喰の場合は表面が滑らかな素材であるため、汚れが付いた場合は専用の消しゴムやスポンジで軽くこするだけでピカピカになるでしょう。

しかし、汚れもまた風合いを引き立てる場合があります。

汚れが壁の一部になることで、塗り壁の模様と一つになり、違和感のない模様が付けられると考えることもできます。

もともと歴史が長い塗り壁ですから、汚れが付いた壁は、まるで歴史の一部になったかのように魅せてくれます。

クロスと比較してコストがかかる

塗り壁は職人さんの手でつくられるため、コストは割高です。

特に漆喰や珪藻土は材料のなかでも特にコストが高いため、特徴やメリット、材料ならではの良さを考慮する必要があるでしょう。

できるだけコストは押さえたい、かつ塗り壁の風合いが楽しみたいという方は、雰囲気のみ取り入れる形にはなりますが、「珪藻土・漆喰クロス」を選択することもできます。

またプロの方へお願いしたい場合は、材料にモルタルやジョリパットを選ぶのがおすすめです。

DIYで行う際は慎重に

DIYで、ご自身で塗り壁を施したい方もいらっしゃるでしょう。

リノベーションや手作りに慣れている方なら問題ありませんが、初めて挑戦する方や、DIYに慣れていない方ならば、やはりプロの職人さんにお任せしたほうが安心です。

確かに、塗り壁には初心者が作った壁としてもまた味わい深さがあります。

しかし長く過ごす場所なので、お金をかけてでもプロの方に依頼し、職人さんならではの手仕事の美しさを楽しむのも良いのではないでしょうか?

プロへ依頼する場合は、どのような仕上げやデザインが良いのか、慎重に話し合って決めましょう。

出来上がりは職人さんの腕次第ですが、バランスが整った曲線や模様、まさに世界に一つだけの風合いが出来上がります。

まとめ

注文住宅の内装に、塗り壁を使用するメリットや注意点についてご紹介しました。

塗り壁は、独特な風合いから外壁に利用されることが多く、昔から親しまれてきました。

昨今では内装にも取り入れる家が多く、廃屋寸前の建物でも、あっという間にオシャレな見た目にリノベーションできます。

使用する素材によっても建物のイメージが異なるため、各素材について実際に目で見て比較し、自身が注文住宅に思い描くイメージに最も近いものを選びましょう。

またDIYでも可能ですが、できればプロの職人さんの手によってつくられる風合いを楽しんではいかがでしょうか?

大阪府羽曳野市にあります「森下技建」では、注文住宅をご検討されている際に、内装についてもお気軽にご相談いただけます。

大阪府で新しい暮らしを始めたいとお考えの方は、ぜひ「森下技建」までお気軽にお問い合わせください。

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