一生に一度の買い物といわれている戸建ての注文住宅。
できるだけ適切な予算が組めるよう、注文住宅の初期費用について知っておくことは大切です。
注文住宅の購入における、初期費用の相場と内訳についてご紹介します。
また大きな出費以外にも、注文住宅の建設時や引っ越し時など、細かい費用が複数のタイミングで発生します。
慌てることがないよう、一般的に必要とされている諸費用について、またできるだけ費用を抑えるためにポイントについても併せてご紹介します。
目次
注文住宅にかかる初期費用の相場
戸建ての注文住宅を購入する場合、初期費用の相場は土地代を含めると全体的に4,000万円ほど。
一方で、すでに土地を所有している場合は2,000〜3,000万円ほどかかります。
あらかじめ初期費用の相場と内訳を理解していれば、計画的に貯金をしたり資金のやりくりをしたりしやすくなるでしょう。
注文住宅の初期費用の内訳
また初期費用の内訳は、大きく分けて建物代・土地代・それぞれの諸費用があります。
できるだけ費用を抑えたい場合は、建物代や土地代全体を見直すよりも、内訳にある項目一つひとつを抑えた方が、購入における計画立てがスムーズになります。
注文住宅の建物代
戸建ての注文住宅は、建物代のほかに諸費用が200〜500万円ほどかかります。
諸費用とは建物自体の代金や建築費用以外にかかる代金のことで、以下のような種類があります。
地盤調査代 | ・注文住宅の見積額を出すため、施工業者が行ってくれる ・調査内容は、主に敷地の測量、法的制限のチェック、周辺状況の調査など |
建築確認申請費用 | ・建築予定の建物が建築基準法に則っているか確認する ・申請は、建築会社が行ってくれる |
印紙税 | ・建物の工事請負契約書に貼って納める税金 ・建築代金が1,000〜5,000万円の場合は2万円かかる ・ローン契約する場合は、別途印紙代が必要 |
地鎮祭 | ・住民の生活や工事の安泰を土地の神様にお祈りする儀式 ・施工管理会社が主催し手配してくれる場合がほとんど ・謝礼(玉串料)として神主へ3〜5万円ほど支払う |
上棟式の費用 (行う場合) | ・棟上げまで無事に完了したことや、残りの工事の安全を祈願する儀式 ・儀式当日の食事代がかかる ・上棟式に参加する現場関係者へご祝儀を支払う |
登記費用 | ・建物の不動産登記(所有権移転登記)に必要な登録免許税 ・司法書士へ登記を依頼した場合の報酬 |
ローン契約時の費用 | ・事務手数料、ローン保証料、火災保険料などが費用に含まれる ・「つなぎ融資」が必要な場合は、さらに手数料や利息がかかる |
土地代
土地もあわせて購入する場合の費用相場は、首都圏とその他の地域で大きく差はありますが、約1,000〜1,500万円です。
まず売買契約時には、「手付金」として代金の5%~10%程度を支払います。
登記費用 | ・不動産登記(所有権移転登記)に必要な登録免許税 ・司法書士へ登記を依頼した場合の報酬 |
固定資産税・都市計画税 | ・土地を購入した際にかかる税金 ・月にかかる税金を日割りし、該当日数分のみ支払う |
印紙税 | ・土地の売買契約書に貼って納める税金 ・土地代が1,000〜5,000万円の場合は2万円かかる |
仲介手数料 | ・不動産企業の仲介により土地を購入した場合の手数料 ・土地の契約時と引き渡し時にそれぞれ半金ずつ支払うことが多い |
(前建物の解体費用) | ・すでに購入した土地に建物が立っている場合、古家を撤去するための費用 |
そのほか注文住宅に必要な諸費用と必要なタイミング
先ほどは建物や土地を得るために必要な費用をご紹介しましたが、注文住宅を購入して引っ越しを完了させるためには、そのほかにも細かい費用が発生します。
必要な費用に関しては、人それぞれのライフスタイルや住む地域により異なりますが、一般的に必要とされている内容や、必要になるタイミングについてご紹介します。
注文住宅の建築時
土地を購入し、注文住宅を建てる段階に入った際、以下の費用が別途必要になる場合があります。
◆水道加入金
水道利用加入金とは、新しく水道を引いて利用する場合に、施設の一部を負担するためにかかる費用です。
水道加入料金は、注文住宅に新しく水道を引いて利用するため、給水装置工事を申し込むとき。
または現状の水道メーターの口径を大きくしたり、追加で給水装置工事を申し込んだりするときなどに発生します。
設置するメーターの口径が25mm以下の場合、給水装置については、約8~9万円の費用がかかります。
◆上下水道・ガス引込費用
都市ガスを供給してもらうには、公道に通っているガス導管を自宅まで引き込む工事が必要です。
ガス導管の引き込み工事は、約10~15万円ほどかかります。
また費用は、ガス導管が通っている公道から都市ガスの供給場所までの距離により異なり、ガス導管を1m引き込むたびに、約1万円の費用がかかります。
つまりガス導管から家までの距離が遠いほど、工事費用が高くなるため注意が必要です。
また引き込み工事を行う場合、出張費用として別途、数千円の費用が発生します。
つなぎ融資や住宅ローンのお申し込み時
「つなぎ融資」とは、一時的な資金不足を補うために、銀行や金融機関から受けられる短期間の融資のことです。
注文住宅を購入する際、建築開始から、完成して住宅ローンの融資が受けられるまでの間に必要となる資金を一時的に融資してくれます。
ただし、土地取得資金や建物建築資金など、利用用途が限られることが特徴です。
また金融機関より、承諾を得ていることが必要です。
つなぎ融資を申し込む場合は、通常の住宅ローンに加えて、別途手数料や利息が発生します。
つなぎ融資を利用する場合は、総額でいくらの返済が必要なのか?シミュレーションしましょう。
引っ越し時にかかる費用
意外にも忘れがちなことが、引っ越しにかかる費用です。
具体的な費用の総額は、様々な要素によって異なりますが、一般的な、引っ越しにかかる費用についてご紹介します。
◆引っ越し業者の費用
荷物を運ぶ際に引っ越し業者へ依頼する場合は、移動距離や荷物の量、作業時間、オプションサービス(梱包や組み立て、家電の取り外しなど)などにより費用が異なります。一般的に、引っ越し業者の費用は、2人暮らしで数万円から数十万円ほどです。
◆梱包資材の費用
引っ越しの際に必要な梱包資材(段ボール箱、テープ、クッション材など)を購入する場合、費用がかかります。梱包資材の費用は、荷物の量や品質によって異なりますが、一般的には数千円から数万円程度です。
◆解約料や契約金の費用
引っ越しに伴い、古い住居の解約や新しい住居の契約を行う場合、解約料や契約金が必要になることがあります。
【費用別】戸建て注文住宅の特徴
注文住宅は、およそ数千万円もの大きな商品です。
もちろん価格が高ければ高いほど便利な設備が取り付けられるうえ、スタイリッシュでおしゃれなデザインが選べるでしょう。
自身が憧れている注文住宅は、およそいくらぐらいで建てられるのか、それぞれの価格別に注文住宅の特徴をご紹介します。
1,000万円代
注文住宅を1,000万円代で建てることができます。
そのためには、相場よりもできるだけ安く抑える必要があるでしょう。
例えば建物の形状や内装をできるだけシンプルにし、基本的には平屋構造で、無駄を極限まで省くようにします。
1つの正方形や長方形の形状なら、外壁の面積が小さく済むため予算を大幅に削ることができますが、複数の図形を組み合わせたような複雑な図形は、材料費がかかるため予算オーバーになりやすいです。
またシンプルな形状なら仕上げ材をほとんど使用しないため、その分のコストも浮くでしょう。
さらに屋上やベランダも作らず、一方の方向へ傾斜した屋根がおすすめです。
洗濯物をお庭で干すようにすれば、人によってベランダは必要ないかもしれません。
そのほか、ミストサウナや食器洗浄機など多機能設備は極力入れず、最低限の設備のみ導入しましょう。
昨今の家電や設備は、省エネ機能や低コストに優れた物ばかりですから、最低限でもある程度なら快適に過ごせます。
また1,000万円代から建てられる「ローコスト住宅」も人気です。
そして建物の形状や設備がシンプルなほど、工期も短くて済みますし、早く引っ越すことができる点も魅力です。
2,000万円代
2,000万円代ならば、1,000万円代の注文住宅よりも大幅にグレードアップできます。
1,000万円代ならば妥協しなければならなかった、屋上やベランダが取り付けられます。
日本全国の注文住宅の平均相場よりは若干低めな価格のため自由度は低くなりますが、選択肢が少ない分、間取りや外装などを悩まずにスムーズに決められるでしょう。
また窓やお部屋の数を増やしたり、お料理やお風呂好きな方なら、キッチンやバスルームに最新設備を設置したりできます。
車や趣味のお部屋が欲しい方は、外にガレージを設置できるでしょう。
さらに、大窓が付いたテラスやセカンドリビングも実現可能です。
また4LDKなどある程度の広さにできるため、吹き抜けのお部屋や二階建て、二世帯住宅も建てられるでしょう
お子さんがいる家庭は、できれば2,000万円代クラスの予算が欲しいところです。
3,000万円代以上
日本全国の、注文住宅にかかる平均的な予算がおよそ3,000万円代です。
そのため当クラスならばおおよそ、理想的な注文住宅が建てられるでしょう。
土地が広い地方ならばのびのび大きな家を建てられますが、土地が狭い都市部ならば、土地の構造を活かした、複雑な形状の建物を建てることが多いです。
そして木造の建物ならば、コストが抑えられるため、より複雑な形状の建物や、ほかの面で予算を組むことができるでしょう。
賃貸アパートやマンションではないため、木造の建物でも騒音に悩まされることはありません。
また隣との距離が近いため、外壁や門など外側の見た目にもこだわる必要があるでしょう。
建物の内装は、床暖房付きのフローリングに、広めの玄関、ウッドデッキや場合によっては中庭までつけられるでしょう。
二世帯家族で住むのはもちろん、小さなお子さんがいらっしゃる家庭ならば、物を収納して置けるスペースが豊富に作れるため、暮らしやすい家が建てられます。
自身の理想の大半を叶えられる憧れの注文住宅を建てたい場合は、3,000万円代クラスの予算が欲しいところです。
また大手ハウスメーカーに、ある程度高クオリティなプランを提案してもらえるでしょう。
注文住宅に必要な費用を抑えるポイント
注文住宅は、工夫次第で大きく費用を抑えることができます。
重要なポイントから順番にご紹介するので、できるだけ実践してみてください。
◆予算を決める
まずは、自分たちが払える範囲の予算を決めることが大切です。
予算を決めることで、設計や工事の際に無駄なコストをかけないようにできます。
注文住宅の設計や内容を決める際は、大きな買い物だからとつい色々付けてしまいがちです。
そのため予算をあらかじめ決めておくことで、住宅ローンを利用する際も、余裕をもって返済できるでしょう。
◆設計をシンプルにする
建物の設計をシンプルにすることで、材料や工事のコストを抑えることができます。
無駄な装飾や複雑なデザインを避け、必要最小限の機能やスペースで済むようにすることが重要です。
◆安価な材料を選ぶ
高価な材料を使うと費用がかさむため、代わりに安価な材料を選ぶことでコストを抑えることができます。
昨今では安くて質が高い材料がたくさん出ています。
しかし安価な材料を使う場合は、念のため防音や耐震など、品質における確認はしておいたほうがよいでしょう。
◆工期を短くする
注文住宅の工期を短くすることで、工事期間中にかかる費用が抑えられます。
また労働力の必要な期間も減らせるため、人件費の削減にもつながります。
具体的には
◆余分なものを省く
必要のないものや余分なものを省くことで、費用を抑えることができます。
例えば庭の造園費用やロフト、収納スペース、トイレの個数など、住む人数や将来のライフプランを見据えつつ最低限必要な設備や部屋を考慮しましょう。
費用を抑えるポイントは、まず予算を決めて、自身の希望を最大限にかなえた注文住宅の状態を考えます。
そこから、担当者と相談しながら予算が削れるポイントを洗い出してみます。
やはり大きな買い物には思わぬ出費がかさむことが考えられるため、決めた予算からさらに余裕を持たせることをおすすめします。
まとめ
注文住宅を購入する際にかかる初期費用(建物代・土地代・そのほか諸費用)についてご紹介しました。
また大きな費用以外にも、上下水道・ガス引き込み代、ローン手数料や引っ越し代金など細かい費用が複数のタイミングで必要になります。
注文住宅の購入は、人生において上位に入るほどの大きな買い物です。
必要な費用を洗い出したり、全部でいくらくらいかかるか計算したりなど、あらかじめ計画を立てておくと安心です。
わからなければ注文住宅の担当者へ相談してもよいでしょう。
また出費をできるだけ抑えるなら、とにかく注文住宅の内装や設備をシンプルにすることが大切です。
中庭やガラス張りのバスルームなど、あこがれのお部屋に思わず目移りしてしまいますが、将来を見据えて本当に必要なものなのかどうか考えて決めましょう。
そして1,000万円台や2,000台でも、ある程度理想がかなえられることもお判りいただけたでしょう。
注文住宅を購入するなら具体的にいくらかかるのか?詳しい費用を知りたい方は、大阪府羽曳野市にあります「森下技建」へお気軽にご相談ください。