公開日 : 2024年6月20日(木)

最終更新日 : 2024年6月20日(木)

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注文住宅の外壁タイルを選ぶポイントは?メリット、デメリットについても詳しく解説!

この記事を読んでいるあなたは、

 ◎ 注文住宅の外壁は、どんな種類がある?

◎ 外壁をタイルにするメリットとデメリットを知りたい

◎ 外壁のタイルを選ぶときのポイントは?

 

このような疑問を持っているかもしれません。

注文住宅の外壁は、外から見た家の第一印象を決める大切なところです。

リフォームには大掛かりな工事がかかるため、長く愛着を持てるデザインや素材を選びたいと思う人も多いはずです。

この記事では、注文住宅の外壁に使う素材やタイルの選び方について解説します。

また外壁をタイルにするメリット、デメリットもお伝えします。

紹介する内容を参考に、納得のいく外壁の設計を考えてみてください。

注文住宅の外壁に使う素材3種類

注文住宅の外壁に使う素材は、おもに以下の3種類です。

◎ サイディング

◎ モルタル(塗り壁)

◎ タイル

それぞれ異なる特徴があり、工事にかかる費用も変わります。

順番に紹介していきます。

 

◆サイディング

サイディングは、日本で最もよく使われている外壁の素材です。

サイディングの中にもさらに種類があり、窯業系、金属系、樹脂系、木質系などに分かれています。

中でも多いのはセメントに繊維質の素材を混ぜて加工した窯業系のサイディングで、豊富なバリエーションから選べるのが魅力です。

サイディングは大量生産できる素材で、貼り付けるだけで手軽に施工できます。そのため人件費や材料費が比較的かからず、初期費用を抑えられるメリットがあります。

一方でサイディングは比較的劣化しやすい素材なため、メンテナンスのコストは高くなりやすいです。

たとえば表面の塗装が剥がれると、水が染み込みやすくなるなどのリスクがあります。

 

◆モルタル(塗り壁)

モルタルは砂と水を混ぜ合わせたセメントのことで、塗り壁とも呼ばれています。日本で古くから使われていた外壁の加工です。

モルタルはブロックを積み重ねる際の接着剤としても使われますが、土などの下地に重ねて塗れば、独特の風合いを持つ外壁材として使用できます。

モルタルの外壁は職人が手作業で塗り上げるため、仕上げのパターンが豊富にあり、個性的なデザインに仕上げられるのが魅力です。

ただし、職人の技術によって仕上がりに差が出るため、依頼先を慎重に見極める必要があります。

またモルタルは防水性が弱くてひび割れしやすいため、メンテナンスのコストがかかる傾向があります。

比較的予算に余裕があって、外壁のデザインにこだわりたい人におすすめです。

 

◆タイル

タイルは、土や石などの自然素材を高温で焼き固めた外壁材です。複数のタイルを積み重ねることで、外壁を作ります。

タイルには様々なサイズや色があり、何を選ぶかによって外見の印象は大きく変わります。

たとえば、レンガのサイズと同じくらいの「二丁掛」やレンガ色のタイル、二丁掛より細いボーダータイル、白色や黒色のタイルなどです。

また自然素材を使っているため、時間の経過とともに風合いが増すのも魅力です。

一方で、サイディングやモルタルに比べて、初期費用が高くなりやすいデメリットがあります。

さらに詳しいメリット・デメリットは記事の後半で紹介するので、参考にしてみてください。

外壁タイルを選ぶための観点5つ

外壁をタイルにする場合は、以下のような観点で選ぶのがおすすめです。

◎ 外壁の工法

◎ タイルの形状

◎ タイル1枚あたりのサイズ

◎ タイルの素材

◎ 色合い・質感

順番に解説していきます。

 

◆外壁タイルの工法

外壁タイルの工法は、大きく以下の2種類があります。

◎ 乾式工法

◎ 湿式広報

主流なのは乾式工法で、目地がはっきり分かりやすい仕上がりになります。湿式工法よりも費用を抑えられ、職人の技術力を問わず安定した仕上がりになります。

湿式工法は、モルタルによって1枚1枚のタイルを張り付ける施工法です。

目地とタイルがよく馴染み、自然で美しい仕上がりになります。職人の専門的な技術が必要となるため、特に外壁をこだわりたい人におすすめです。

 

◆タイルの形状

タイルの形状には、以下の3種類があります。

◎ 平物タイル

◎ 役物タイル

◎ ユニットタイル

平物タイルは長方形や正方形で、一般的にイメージされやすいタイルの形状です。

それに対して役物タイルは、平面ではない場所に使用するL字型のタイルのことです。

平物タイルをつないで、シート張りにしたものをユニットタイルといいます。

3つの形状の中では、ユニットタイルが圧倒的に安いです。また役物タイルは高価で、平物タイルの1.5倍ほどの値段がかかります。

 

◆タイル1枚あたりのサイズ

タイル1枚あたりのサイズは、主に以下の5種類です。

 

◎ 45二丁タイル(95mm×45mm/枚)

◎ 二丁掛タイル(227mm×60mm/枚)

◎ ボーダータイル(227mm×30mm/枚)

◎ 50角タイル(45mm×45mm/枚)

◎ 小口平タイル(108mm×60mm/枚)

◎ ブリックタイル(様々なサイズがある)

 

おしゃれなデザインや個性的な外観にしたい人は、ボーダータイルやブリックタイルがおすすめです。ブリックタイルは、レンガ風の高級感ある外観を演出してくれます。

また費用を抑えながらもタイルの外壁にこだわりたい人は、45二丁タイルと50角タイルを組み合わせるのが良いでしょう。タイルの中では比較的安価で、選びやすい価格のものが揃っています。

 

◆タイルの素材

タイルの素材は、主に磁気質とせっ器質の2種類があります。

磁気質は硬くて丈夫で、吸水率が低いのが特徴です。凍害にも強く、メンテナンスの手間があまりかからないメリットがあります。

せっ器質は光沢があり、素材ならではの色むらや素朴な質感を楽しめるのが魅力です。

磁気質のタイルの方が扱いやすいですが、せっ器質に惹かれた人は選んでみるのも良いでしょう。

 

◆色合い・質感

外壁タイルは釉薬の有無によって、仕上がりの色合いや質感が変化します。

釉薬とはタイルに塗るうわぐすりのことで、艶やかな仕上がりになります。

釉薬の種類やかけ方、回数を変えると、光沢の強弱や色合いに個性を出せるのが魅力です。

また釉薬はタイルの強度を強くしてくれるため、外壁タイルのほとんどは施釉されています。

一方で、タイルそのものの素朴な風合いを楽しみたい人は、釉薬を使用しないのがおすすめです。

外壁をタイルにする3つのメリット・魅力

注文住宅の外壁をタイルにするメリットは、以下の3つです。

◎ デザイン性が高い

◎ 耐久性に優れている

◎ 手入れが簡単

 

順番に紹介していきます。

 

◆デザイン性が高い

外壁に使う素材の中でも、タイルはデザインが豊富でおしゃれな見た目を作りやすい傾向があります。

レンガ風や個性的な色合いのタイルなど、建てる家のコンセプトに合わせて選べます。

また見た目の華やかさや重厚感、高級感を演出できるのは、他の素材にはないタイルならではの魅力です。

外壁に使用する他の素材は時間の経過とともに劣化したり、汚れて見えてしまったりする場合があります。

しかしタイルは年月が経つほど独特の風合いが出るため、見た目の変化を楽しめます。

外壁のデザインにこだわりたい人は、ぜひタイルを検討してみてください。

 

◆耐久性に優れている

タイルは、耐久性が優れた外壁材です。

石や土などによってできている自然由来の素材なため、変色したり劣化したりしづらい特徴があります。

また表面に汚れがついてしまったときも、雨などで洗い流す性質があるので汚れが定着しづらいです。耐水性や対傷性も問題ないため、安心して使い続けられます。

デザイン性と機能性を兼ね備えた外壁材を使いたい場合は、タイルの使用を検討してみてください。

 

◆手入れが簡単

外壁タイルは、日々の手入れや定期的なメンテナンスの手間がかからないメリットがあります。

タイルや石や土を固めて作っているため、頑丈で傷つきにくい素材です。選ぶ色にもよりますが、多少の傷や汚れであれば目立ちづらく、きれいな外観を保ちやすいです。

汚れが気になりづらいため、他の素材に比べて掃除の手間がかからない特徴があります。

また劣化しづらいのも特徴で、メンテナンス費用もそれほどかかりません。外壁によく使われるサイディングに比べると、費用を半額程度に抑えられます。

長期的に考えても、タイルは扱いやすい外壁材といえます。

外壁をタイルにする3つのデメリット・注意点

外壁をタイルにする際には、以下のような注意点があります。

◎ 初期費用が高い

◎ 技術のある職人が必要

◎ タイルが剥がれるかもしれない

メリットばかりに目を奪われてタイルを選ぶと、思わぬ失敗につながりかねません。

後から後悔しないためにも、デメリットを知ったうえでタイルを選びましょう。

 

◆初期費用が高い

外壁タイルは、他の素材に比べて初期費用が高いデメリットがあります。

タイルはデザイン性が高くておしゃれな素材ですが、サイディングなどに比べると2倍ほどの費用がかかります。また1つ1つのタイルを手作業で貼りつけていくため、施工の手間もかかります。

ただし一般的には、建ててから30年ほどはメンテナンス不要で、かかる費用もそれほど高くありません。

長期的に見ると、タイルの方が費用を抑えられる場合もあります。

 

◆技術のある職人が必要

外壁タイルの施工は、職人によって仕上がりが大きく変わります。

施工が1つ1つ手作業なため、職人の技術による完成度の差が生じやすいためです。

職人の技術力が低いと、場合によっては耐久性に問題が生じてしまいます。

過去の実績や評判を参考に、安心して任せられる職人を探してみてください。

 

◆タイルが剥がれるかもしれない

タイルは手作業で貼り付けるため、地震の揺れなどによって壁から剥がれる心配があります。

特に注意が必要なのは、貼り付けの下地にモルタルを使用している場合です。

モルタルは弾力性が低い素材なため、建物が揺れた際に振動を吸収しづらく、負担がかかりやすいです。

日本であればどこでも地震に見舞われる可能性があるため、タイルが剥がれるリスクがあることを理解しておきましょう。

まとめ

この記事では、注文住宅の外壁に使う素材やタイルの選び方について解説しました。

外壁素材は主に、サイディング、モルタル(塗り壁)、タイルの3種類があります。

タイルはデザイン性や耐久性に優れた素材で、メンテナンスの手間や費用がそれほどかからないメリットもあります。

またタイルを選ぶ際は、工法、形状、サイズ、素材、色合い・質感の5観点を持つのが重要です。

一方で、タイルには初期費用が高くなりやすいデメリットがあります。

職人の技術力によって仕上がりに差が生じたり、地震などで剝がれてしまったりするリスクもあります。

タイルのメリットとデメリットを理解した上で、理想の外壁デザインを考えてみてください。

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