注文住宅を造るときに、だれしもが「吹き抜け」のある家に憧れるでしょう。
ドラマやCMなどで見ることが多い、開放感あふれる空間は、住む人に安心感と居心地の良さを与えてくれます。
実際に吹き抜けを依頼する前に、初めにメリットとデメリットについて理解し、納得したうえで付けることで後悔が少ない選択肢となるでしょう。
当記事では、吹き抜けの概要とメリット・デメリットについて、実際に吹き抜けの空間を造った過去の事例についてご紹介します。
「吹き抜けは憧れるけれどデメリットってないの?」
「吹き抜けにはどんな種類や内装ができるのか知りたい!」
このようにお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
注文住宅で希望できる「吹き抜け」とは?
注文住宅における「吹き抜け」とは、一部の天井に床を造らず、連続した高さのある空間をさします。
「2層吹き抜け」の場合は1階の床から2階の天井まで、2階分の高さがある空間のことを指し「3層吹き抜け」なら1階の床から3階の天井まで、3階分の高さがある空間を指します。
吹き抜けを造ることで開放感にあふれ明るい空間を演出できますが、一方で天井が高いため、高所にあるでっぱりやスキマ、窓などの掃除やお手入れが大変な事があります。
脚立を使用すれば可能ですが、やや危険が伴うでしょう。
そのため吹き抜けにするならば、換気を良くすることで空気を循環させる仕組みを造ったり、数メートル先まで伸ばせる掃除用具を用意したりするなど工夫をすると良いでしょう。
「吹き抜け」の費用相場
注文住宅を造る際にふきぬけを取り入れる際の費用相場は、およそ50万円~250万円です。
さらに、2.0坪を吹き抜けにする場合の費用相場はおよそ100~150万円です。
吹き抜けにする空間をどれくらいの広さにするかにより金額は異なるため、当金額は目安としてください。
あくまで上記の金額は、吹き抜けにするのみのシンプルな構造の際にかかる費用です。
そのため、手すりやレイアウト変更、シーリングファンを取り付けるなどを行うと、さらに費用は掛かります。
さらに断熱素材を壁に施す際は、プラス80万円ほどかかります。(約100㎡あたり)
「吹き抜け」のメリットとデメリット
注文住宅を造るなら、憧れの「吹き抜け」を付けてみたいものです。
しかし、人生で数少ない大きな買い物ですから後悔はしたくないですよね?
吹き抜けのメリットとデメリットを把握することで、納得したうえで適切に吹き抜けを付けることができるでしょう。
実際に住んでみなければわからない点もありますが、注文住宅を建てて吹き抜けのある部屋に住んでいる方から、よく寄せられる声についてご紹介します。
吹き抜けのメリット
◆開放感が得られる
吹き抜けにすることで、天井を高くし空間を広げることができます。
そのため、都心部などで土地の広さの関係上、どうしても居住空間が狭くなりがちな住宅に最適です。
複雑な形状ではないため、ほとんどの注文住宅に付けられるでしょう。
天井が低いお部屋は、どうしても空間が狭くなるため息苦しさを感じてしまいます。
吹き抜けにすることで視界が広がり、開放感が得られ、見た目以上の広さが手に入ります
◆採光が得られる
吹き抜けを付ける際、天井に窓を付けておくと、採光ができるため空間全体が明るくなります。
隣の家や建物の関係上どうしても日光が遮られてしまう場合でも、天井の窓から光が差し込んでくるため、十分に明るい空間が確保できるでしょう。
また採光は、部屋の明るさに良いだけではありません。
早朝、日の光を浴びることで体が目覚め、すっきりとした朝が迎えられます。
健康の面からも吹き抜けの窓はおすすめです。
◆同居する人の存在が感じられる
吹き抜けにすることで1階と2階および3階がつながるため、同居している人の存在が感じられます。
空間が広い場所は音が通りやすいため、2階や3階にいる人へ直接話しかけることもできます。
家族や同居人との間のコミュニケーションも円滑になり、居心地が良い空間に変わるでしょう。
デメリット
◆冷暖房が効きにくい
空間が広く開放的なところが吹き抜けのいいところでもありますが、反対に冷暖房が効きにくいというデメリットがあります。
また冷暖房が効きにくいだけでなく、快適な室温になるまでに時間がかかるため、光熱費もかさんでしまうでしょう。
性質上、暖かい空気は上部に流れて冷たい空気は下部へ流れるようになっています。
そのため、吹き抜けのあるお部屋内だけでも、室温にかたよりができてしまうでしょう。
空気の循環システムや、断熱材を施すなどして工夫することをおすすめします。
◆音が響きやすい
吹き抜けは声が通りやすく、2階や3階にいる人とも直接コミュニケーションが取れるという利点がありました。
しかし一方で、音が空間全体に伝わるため不快に感じる場合もあるでしょう。
例えば吹き抜けのある部屋でテレビを見ていると、2階や3階にテレビの音が伝わりやすくなります。
生活音が気になる場合は、防音工事を施すなどで対策が必要です。
◆2階や3階の床面積が小さくなる
吹き抜けは、2階や3階の床をくりぬいて造るため、上階の床面積がどうしても小さくなります。
2階に広い子供部屋や収納スペースが欲しいとお考えの方は、想像より狭くなってしまうため後悔する恐れがあります。
そのため吹き抜けを造るときは、担当の工務店や設計資産と打ち合わせをするときに、自身が希望しているほどのじゅうぶんな広さが確保できるか確かめると良いでしょう。
注文住宅に「吹き抜け」を上手に取り入れるには?
吹き抜けを付けつつ快適に過ごすためには「空調設備」を整えましょう。
広い空間ですから、どうしても冷暖房が効きにくくなります。
しかし24時間空気が循環する設備を造っておけば、空気がこもらず一定の室温が保てるだけでなく、湿気やカビも防ぎます。
また「シーリングファン」を設置するのもおすすめです。
シーリングファンは天井に取り付けるプロペラのようなファンで、オシャレな喫茶店などでよく見かけます。
天井から風を送って空気を循環させるため、一定の室温を保つ役割を持っています。
また吹き抜けを造る際に盲点になりがちなのが「家の強度」です。
吹き抜けを造ることで広い空間ができるため、その分災害における住宅の強度が落ちてしまいます。
災害はあまり身近でないためピンとこないかもしれませんが、万が一被害に遭ったときのことを考え、できるだけ強度が大きい素材や設計で造ってもらうようにしましょう。
注文住宅に「吹き抜け」を取り入れた実例集
大阪府大阪府羽曳野市にあります「株式会社 森下技建」では、吹き抜けを含めた注文住宅の相談実績が豊富です。
実際に過去に当社が手がけた、吹き抜けのある注文住宅の事例について3種類ご紹介します。
自宅に欲しい吹き抜けのイメージとして、ぜひ参考にしてください。
【1】高気密・高断熱~長寿命の住まい~(松原市T様邸)
当注文住宅をご購入いただいたお客様は、気密性と断熱性に優れたお部屋を希望されておりました。
LDKの広さを誇るキッチンの目の前の空間を吹き抜けに。
吹き抜けには、冷暖房が効きにくいというデメリットがあるため、断熱性に優れた素材を用いることで、快適な空間を実現させました。
また階段部分にはスキップフロアを取り付けており、空間にメリハリをつけるように設計。
広々とした、ゆとりのある空間でお料理や食事が楽しめます。
また断熱素材のおかげで室内の温度もほぼ一定に保たれるため、快適な空間に仕上がりました。
【2】タイルで創る、極上空間
当注文住宅を購入されたお客様は、タイル屋さんを経営されておりますので、吹き抜けのあるお部屋の内装と外装にタイルを施しました。
タイルを大量にあしらった「クラシカルモダン」なお部屋は、温かみのある空間を演出しています。
LDKの広さのキッチンの前を吹き抜けに、かつ壁には大きな窓を取り付けることで、明るさ抜群の居心地が良い空間になりました。
キッチンの壁には光沢がキラリと光るタイルを採用しています。
お部屋の雰囲気を壊さないよう照明のデザインにもこだわりを。
高級感かつダイナミックな雰囲気の空間が完成しました。
【3】永遠に家族の陽だまり(南河内郡太子町N様邸)
当注文住宅を購入されたお客様は、キャンプ好きなため自動シャッター付きのインナーガレージを付けました。
お気に入りのキャンプ道具を積み込むための広さも申し分ありません。
また28帖の広さを誇るリビングに、吹き抜けを造りました。
壁の大きな窓のおかげもあり、日差しがほどよく差し込んで、開放的で明るいお部屋になりました。
お部屋の横にあるひな壇階段は、ブラックの手すりを採用しているためスタイリッシュでクールな仕上がりです。
白と黒のコントラストが、シンプルでおしゃれな雰囲気を演出しています。
まとめ
注文住宅の「吹き抜け」について、概要やメリットとデメリット、実際に吹き抜けを付けた事例についてご紹介しました。
注文住宅を建てる際に誰もが憧れる「吹き抜け」は、開放感があり採光も得ることができます。
また家族や同居人とのコミュニケーションが図りやすいため、居心地が良い空間を提供してくれるでしょう。
しかし一方で、冷暖房が効きにくかったり音が響きやすかったりとデメリットがあるのも事実です。
そのようなときには天井に「シーリングファン」を取り付けたり断熱素材を使用したりすることで、快適な空間に変えることができるでしょう。
工務店×不動産それぞれの特徴を併せ持った、注文住宅のプロフェッショナル集団「株式会社 森下技建」では、吹き抜けを含む注文住宅を手がけた実績が豊富です。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。