公開日 : 2022年11月22日(火)

最終更新日 : 2022年11月30日(水)

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最適な天井高の平均は?天井高を高くするメリット・デメリット

注文住宅を購入するときは、通常ハウスメーカーや設計事務所、地元に強い工務店へ依頼します。
その際に自分の希望を伝えて形にしてもらいますが、間取りや欲しい設備のほかにも天井高の設定を行うことができます。
もちろん相談先にすべてお任せすることもできますが、用途や部屋ごとに適切な天井高がわかれば、より理想の注文住宅になるでしょう。
今回は、注文住宅を購入する際の天井高の決め方や、お部屋ごとのおすすめの高さをご紹介します。

注文住宅における天井高の決め方

「建築基準法」では天井高が2,100mm以上あれば居室として認められます。

(居室の天井高さ)
第二十一条 居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
【引用】「文部科学省」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/001/toushin/06012000/s005.htm

また戸建ての住宅の場合、現在の平均的な天井高は2,200~2,600mmです。
吹き抜けでない場合は、2,400mmを選択すれば、それほど窮屈に感じないため無難でしょう。

もし設計図をお持ちなら、各間取りにCH=2,400といった表記がないか探してみてください。
これはCH(ceiling height)を表しており、この場合は対象の間取りの天井高が2,400mmということです。
もしCH=2,100ならば、身長が高めの方にとってはやや圧迫感を感じるかもしれません。
基本的に設計図が完成し、確認が完了した後の変更はできませんが、どうしても変更したい場合は相談してみましょう。

天井高を高くするメリット

標準の天井高は2,400mmですが、オプションで天井をより高く設定できます。
また吹き抜けなど、標準よりも天井高を高くすることで、以下のようなメリットがあります。

・開放感が得られる
・スキップフロアが作れる
・高い場所に窓が設置できる

高い場所に窓を設置すれば、天井から太陽光が入ってきてより明るい空間ができます。
また「スキップフロア」とは、ドアや仕切りがなく、ちょっとした段差や階段でもう一つの空間をつくることです。
段差を2段上がった先に観葉植物を置くなど、憧れのおしゃれ空間が作れます。

天井高を高くするデメリット

人間は、面積×高さで空間の広さを認識します。
そのため面積が小さくても、天井高を高く設定することで開放感が得られます。
しかし、あまり高くしすぎると以下のようなデメリットが生じます。

・冷暖房が効きにくい
・建築費用がかかる
・ちょうどいいサイズのカーテンがない
・照明を変えるのが困難
・生活音が響きやすい

特に吹き抜けで2階の空間とつながっている場合は、かけた暖房の暖かい空気が上部へ逃げてしまうため、より効きにくくなる点に注意が必要です。
断熱効果が高い素材を選びましょう。
また天井高を高くすると、それだけ住宅の表面積や必要な壁紙の量が増えるため、その分コストがかかります。
できるだけ天井高を高くし、圧迫感を感じないくらいまで徐々に下げて調節するのがおすすめです。

【お部屋別】平均的な天井高とおすすめの天井高

迷ったなら天井高は2,400mmが無難だとお伝えしましたが、部屋や用途によりおすすめの天井高が若干異なります。
高くすべきところは高くし、それほど高さが必要ないところは低めに設定することで、コストが抑えられます。
注文住宅において重要なポイントである各部屋の、おすすめの天井高についてご紹介します。

玄関

玄関のおすすめの天井高は2,400~2,500mmです。
家に入ったとき一番初めに訪れる空間であるため、ある程度の開放感があることが望ましいでしょう。
また玄関扉は、あまり高く設定してしまうと開け閉めが重くて困難になったり外気を多く取り込んだりするため、標準的な高さである2,000~2,400mmで十分です。

リビング

リビングの天井高は、できるだけ高くして開放感を出しましょう。
また憧れの吹き抜けを取り入れるなら、来客を招いたり家族団らんの場所にしたりできるリビングがおすすめです。
最低でも標準の天井高2,400mmは欲しいところですが、2,700mmや3,000mm以上の高さに設定してもいいでしょう。
反対に天井高が2,400mmより低いと、複数人が同じ空間にいる場合に圧迫感を感じやすくなります。
リビングの天井高は、オプションをつけてでも高く設定しておきたいところです。

ダイニング

食事を楽しむところなので、イスに座ることが多く、そこまで天井高を高くする必要はないでしょう。
現在はリビングとダイニングの空間を同じにする注文住宅があります。
その場合はダイニングの天井高を2,400mmにしリビングの天井高を3,000mmに設定するなど、双方の天井高に差をつける方法がおすすめです。
また差がつくよう設定することで、リビングの天井高による開放感がいっそう強く感じられます。

キッチン

キッチンは調理をする場所であるため、開放感も大切ですが、利便性や使い勝手の良さを重要視したほうがいいでしょう。
特に器具や食材を収納する場所は、手が届く位置になければなりません。
天井高を設定する際は、自分の身長と相談し、収納場所に手が届くような高さに設定しましょう。

主寝室

寝室は横になることが多い場所であるため、天井高をそれほど高く設定する必要はありません。
天井高を高くして開放感を出すより、あえて低く設定したほうが、空間に落ち着きが生まれ、眠りやすくなるでしょう。
居室として認められる最低限度の天井高2,100mmでも十分です。

和室

和室も、寝室と同様に天井高が抑えられる部屋の一つです。
もともと座椅子や床に座ってくつろぐことが多い部屋であるため、あまり天井の高さを追求する必要がありません。
2,200~2,400mmがおすすめです。

浴室

最近の注文住宅はユニットバスを取り入れるのが基本です。
ユニットバスとは、浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツがセットで販売されており、それらを現場で組み立てて設置するタイプを指します。
すべて既製品としてセットになっているため、高さや面積の変更が自由にできません。
つまり浴室の天井高は、希望するユニットバスの高さになります。
多くのユニットバスの天井高は、2,100mmに設定されている場合がほとんどです。

物置・収納部屋

物置や収納スペースは面積の方が重要であるため、それほど天井高を高くする必要はないでしょう。
また物置や収納部屋は居室として認められなくても構わないため、天井高を2,100mm以下に設定できます。
また天井高を思いっきり高くしてロフトの部分をつくり、収納スペースを増やす方法もあります。
ロフトなら空いた空間を有効活用できるため、新しく収納スペースのための部屋をつくる必要がありません。

すべてのハウスメーカーが理想の天井高にできるわけではない!?

実は、ハウスメーカーごとに標準としている天井高が異なります。
あくまでも標準であり、自由に天井高が選べないわけではありませんが、より高くするならオプション扱いとなり追加で費用がかかります。
また標準の天井高は、各ハウスメーカーによっての得意分野であるということでもあるため、検討している注文住宅の天井高に最も近いハウスメーカーを選ぶといいでしょう。

ここでは、天井高がある程度高いデザインや設計を得意としており、かつ自由度も豊富なハウスメーカーを3店舗ご紹介します。

アイ工務店

「アイ工務店」は、天井高3,000mmの居室や、スキップフロアなどの吹き抜けを活かしたデザインが特徴です。
ほかにも高気密高断熱仕様に優れた設計を行ってくれるため、吹き抜けをつくったりできるだけ天井高を高くしたりしたい場合におすすめのハウスメーカーといえるでしょう。
「1mm単位の自由設計」と宣伝している通り、自由度が高く、標準設備の性能が高いと評判です。

大和ハウス

「大和ハウス」が標準としている天井高は、現在販売しているxevoΣ(ジーヴォシグマ)だと2,720mmです。
しかし、さらに高い2,800mmの高さに設定することも可能です。
また床下を下げることで3,000mm以上の天井高を実現し、ステップを活かしたメリハリのある設計が得意です。
それぞれの天井高にあった天井デザインも同時に提案してくれるため、高さ設定に失敗するリスクが大幅に抑えられるでしょう。

住友林業

「住友林業」が得意としている標準の天井高は2,400mmです。
天井高が低くても、屋根のスペースを活かして収納スペースをつくったり、天窓を設置したりして有効活用するデザイン設計が得意です。
平屋は、なんとなく平坦で面白みのないイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし住友林業のスペースを有効活用する設計なら、小部屋や収納スペースの充実度合い、ステップによるメリハリのある空間などにより、ユニークで個性的な住宅が実現できます。

まとめ

注文住宅における、天井高の考え方やおすすめの高さについてご紹介しました。
建築基準法では天井高が2,100mmあれば居室として認められ、戸建ての一般的な高さは2,400mmです。

天井高は高いと開放的な空間が得られるなどのメリットがある一方で、冷暖房が効きにくいなどのデメリットもあります。
デメリットが気にならない、または対策は十分だと感じたら、天井高を高くしてり開放的な空間を楽しみましょう。
また部屋の種類や用途により適切な天井高は異なるため、もしも迷ったなら相談先のハウスメーカーや建築事務所、地元に強い工務店にお任せしましょう。

大阪府羽曳野市にある「森下技建」は、地元の事情や注文住宅に強い工務店です。
天井高を含め、少しでも疑問があれば柔軟に対応させていただきますので、注文住宅の購入を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

【公式サイト】「森下技建」はこちら。

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