注文住宅に、キッチンの隣におしゃれなパントリーを設置したいと考える人もいらっしゃるでしょう。
しかしスペースが必要だったり追加で費用がかかったりする場合もあるため、パントリーのある生活について、メリットとデメリットを理解したうえでの検討をおすすめします。
キッチン周りの収納として人気の高いパントリーですが、実際に取り入れて「便利だった!」という声がある一方で「思ったより使わなかった」「場所を取って後悔した」という意見もあります。注文住宅だからこそ、自分たちのライフスタイルに合った収納計画が重要です。
本記事では、パントリーのメリット・デメリットをふまえつつ、後悔しない収納づくりのポイントを紹介します。パントリーを取り入れるべきかどうか、判断材料としてご覧ください。
目次
パントリーとは?

パントリーとはキッチンクロークとも呼ばれ、おもにキッチン周辺に設けられる収納スペースを指します。
食品・調味料・飲料・日用品・キッチン家電などを整理して保管できるため、食品庫としても利用できるでしょう。キッチンの収納力を増やし、スッキリと片付いた空間を保つために活用されることが多く、共働き家庭やまとめ買いをする家庭にとくに人気があります。
パントリーにはいくつか種類があり、壁面に棚を設置する「壁付け型」、人が中に入れる「ウォークイン型」、キッチンから隠れる場所に設置する「独立型」などがあります。限られたスペースでも便利に利用でき、使い勝手や生活スタイルに合わせてカスタマイズできるのが魅力です。
収納だけでなく、生活動線や家事の効率化にもつながるため、注文住宅を建てる際にはぜひ検討したい設備のひとつです。
パントリーのメリット
注文住宅にパントリーを設置することには、さまざまなメリットがあります。
◆キッチンの収納力が大幅にアップする
パントリーを設けることで、キッチンの収納力が格段に向上します。調味料・缶詰・インスタント食品・飲料・日用品のストックなど、常温で保存できるものであれば、何でもスッキリと整理できます。
◆キッチンの見た目を美しく保てる
よく使う家電や食品をパントリー内に収納できるため、キッチンカウンターや棚の上に物が散らかりにくくなり、見た目の清潔感が保てます。
◆家事動線がよくなり作業効率が上がる
キッチンのすぐそばに収納スペースがあることで、料理中の「取り出す」「しまう」がスムーズになります。使う場所の近くに物があることで、家事の負担も軽減できます。
◆まとめ買いや非常食の保管に便利
共働き家庭や大家族など、食品や日用品をまとめ買いする方にとっては、広いパントリーが非常に便利です。また災害時の備蓄品を保管する場所としても適しています。
◆来客時にも生活感を隠せる
パントリーに物を集約しておくことで、急な来客があってもキッチン周りを素早く片付けられます。扉付きにすれば、内部を見せずに済むため安心です。
パントリーのデメリット
パントリーは便利な収納スペースですが、設置にはいくつかのデメリットもあります。
まずはスペースの確保が必要です。限られた敷地や間取りの中でパントリーを設けると、リビングやキッチンのスペースが狭まってしまう可能性があります。また使い方を明確にしないと、収納されたものが乱雑して物置化しやすい点も注意です。計画性なく収納すると、奥にしまったものが取り出しにくくなり、結局使わなくなることもあるでしょう。
さらに湿気やにおい対策が必要で、換気が不十分だと食品の保存に不向きな空間になることもあります。パントリーは便利な設備ですが、スペースや使い勝手を十分に考慮したうえで設置を検討することが大切です。
「森下技建」パントリーの設置例
大阪府羽曳野市にある新築・リフォームを手がける「森下技建」では、これまでに注文住宅の提案からリフォームまで、個人や店舗問わず数多くの施工に携わってきました。実際に注文住宅にパントリーを設置する案件もありましたので、豊富な実績にもとづき提案いたします。
森下技建が担当しました、パントリー付きの注文住宅について、施工事例を3つ紹介します。これから注文住宅にパントリーを設けたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
◆高気密・高断熱~長寿命の住まい~(松原市T様邸)
キッチン横にパントリーを設置した例です。動線がパントリーからアイランドキッチンへ直接つながっているため、物の持ち運びが大変便利です。
◆~warm house~(羽曳野市南恵我之荘Y様)
キッチンの隣に、壁に取り付けた形でのパントリーを設けました。幅が広くとられているため、収納スペースが豊富で、扉を閉めれば見た目がスッキリします。
◆-和モダンの平屋住宅-
扉がないパントリーを設置した例です。扉がないため動線がスムーズで、両手がふさがった状態でも物の出し入れが可能です。奥まった設計になっているため、外部からも中が見えにくい構造になっています。
パントリーを設置するポイント
パントリーを効率よく有意義に活用するには、パントリーの設置場所や取り付ける扉など、いくつかのポイントをおさえておくとよいでしょう。注文住宅にパントリーを設置する際に考慮したいポイントについて解説します。
キッチンのすぐそばに設ける
パントリーは食品やキッチン用品の収納場所であるため、キッチンのすぐそばに配置すれば、料理や片付けの動線が格段にスムーズです。
たとえば、冷蔵庫やシンクの近くに設けると、調理中に必要な食材やストック品をすぐに取り出せて便利です。また買い物帰りにパントリーへ直行して収納できる動線であれば、家事効率もアップします。パントリーは使う場所の近くに設けることがコツです。
パントリーに扉を付けるならスライド式がおすすめ
動線のよさを向上させるなら、パントリーに扉を設けないことをおすすめします。しかし、他者から生活感や大量の物を隠したい場合は、開閉のしやすさとスペースの有効活用を考慮し、スライド式(引き戸)がおすすめです。
開き戸に比べて開閉時に場所を取らず、通路の邪魔になりにくい点が魅力です。とくにキッチン周辺は動線が限られていることが多いため、スライド式なら狭いスペースでも快適に使えるでしょう。見た目もスッキリしやすく、生活感を隠しつつ出し入れしやすい収納が実現できます。
湿気対策を徹底する
パントリーは食品や日用品を保管する場所なので、湿気対策は非常に重要です。
換気が不十分だとカビやニオイの原因となり、食品の劣化を招くこともあります。窓を設ける、換気扇を設置する、または調湿機能のある壁材や除湿剤を活用するなどの工夫が必要です。とくに梅雨時や湿度の高い地域では対策を怠ると快適に使えません。長期間安心して使える収納にするためには、湿気への配慮に注意が必要です。
パントリーに物を収納するコツ

注文住宅にパントリーを設置した場合、パントリーのスペースを有効活用したうえで、生活動線を向上させるための使い方について紹介します。
棚ごとにカテゴリーを分ける
パントリーを使いやすくするには、棚ごとに「カテゴリー分け」するのが基本です。
たとえば、調味料・缶詰・乾物・お菓子・飲料など、種類ごとにゾーンを決めて収納することで、何がどこにあるか一目でわかり、探す手間が省けます。またカテゴリー別に収納ボックスやラベルを使うとさらに整理しやすくなり、家族全員が使いやすい状態を保てます。
パントリー内を定期的に見直すことで、ストックのムダ買いや使い忘れも防げます。
重さによって収納する場所の高さを考慮する
収納物の重さに応じて棚の高さを工夫することも重要なポイントです。
重たい飲料ボトルや米などは、腰より下の低い位置に置くと、持ち上げる負担が減って安全です。逆に軽いものや使用頻度の低いものは上段に置くことで、全体のバランスもよくなります。
棚の高さの使い分けを意識することで、取り出しやすく、事故や腰痛のリスクも減らせます。家族全員が安全かつ快適に使える収納計画を心がけましょう。
賞味期限が短いものを手前に収納する
食品のロスを減らすためには、「賞味期限が短いものを手前に置く」ことが基本です。
新しいものを奥に、古いものを手前に配置する「先入れ先出し」の考え方で管理すれば、無駄なく使い切れます。棚に期限順で並べたり、ラベルを貼って見やすくしたりする工夫も有効です。
見える・取り出しやすい収納を意識することで、使い忘れを防ぎ、食材の鮮度を保ったまま効率的に消費できます。
色に統一感を持たせた入れ物やボックスを使用する
パントリーを美しく、かつ使いやすく保つためには、「色に統一感を持たせた入れ物やボックス」を使用するのがおすすめです。
収納グッズの色味をそろえることで、見た目に統一感が生まれ、空間全体がすっきりと整って見えます。特に白やベージュ、グレーなど落ち着いた色を選ぶと清潔感があり、キッチンとの調和も取りやすくなるでしょう。
また同じ形状・サイズのボックスを使えば、無駄なスペースが出にくく収納効率もアップし、見た目と実用性の両立が可能です。
まとめ
注文住宅にパントリーを設置することで、キッチン周りがスッキリし、生活動線が向上します。
ただし注文住宅にパントリーを設置するかどうかは、家族のライフスタイルや収納の優先順位によって大きく変わります。確かに、パントリーがあることで収納力が増し、キッチンをすっきりと保てますが、スペースや使い方をしっかり考えないと「思ったより使わなかった」と後悔する可能性もあります。
大切なのは、自分たちの生活に本当に必要な機能かどうかを見極めることです。間取り全体とのバランスや動線、将来の暮らしの変化も視野に入れて計画的に収納を考えることで、快適で後悔のない家づくりが実現できるでしょう。
大阪府羽曳野市の「森下技建」では、お客様のライフスタイルに合った注文住宅を提案します。パントリーの設置の可否についても、これまでの豊富な実績からお答えします。下記よりぜひお気軽にお問い合わせください。