「同居する家族のため、バリアフリー化した注文住宅を建てたい!」
または、「老後もふまえてバリアフリー化した注文住宅を建てたい!」
とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
バリアフリー化した注文住宅を建てる際は、ドアや部屋の区切りをできるだけ少なくするなど、動線をスムーズにかつ移動する際の工程を少なくすることがコツです。
当記事では、注文住宅をバリアフリー化するメリットとデメリット、平屋と2階建てそれぞれのバリアフリー化のポイント、費用相場と利用できる補助金制度などを解説します。
バリアフリー化した注文住宅を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
注文住宅をバリアフリー化するメリットとデメリット
注文住宅をバリアフリー化する前に、メリットとデメリットについて知っておきましょう。
バリアフリー化はやや特殊な対応なので、住宅が完成する前後にて、メリットもあればデメリットもあります。
注文住宅をバリアフリー化させるメリットは、下記のとおりです。
●介護の要否にかかわらず快適に暮らせる
●老後も安心して住める
●小さい子どもがいても安心
●介護がしやすい
バリアフリー化は、住人の動きやすさに特化した仕組みです。
注文住宅が完成した時点では介護の必要がなくても、バリアフリー化することで住みやすさを実感できるでしょう。
一方で、注文住宅をバリアフリー化するデメリットには下記があります。
●通常よりも高い費用がかかる
●玄関から砂や虫が入りやすい
●スペースが狭くなる場合がある
バリアフリー化は、手すりや特別な床材の使用などで、通常よりも料金が高くなりやすいです。
さらに、段差が少なくなるため玄関や窓から砂や埃、虫などが侵入しやすい点もデメリットといえるでしょう。
車椅子で暮らせる注文住宅の間取りとは?
バリアフリー化に特化した間取りを考えるならば、車椅子でも快適に暮らせる間取りを目指すとよいでしょう。
最もおすすめなのは平屋ですが、2階建てでも問題ありません。
バリアフリー化した注文住宅を建てる際には、平屋と2階建てともに共通して下記のポイントに注意しましょう。
●手すり・スロープは設計時から導入する
●段差をなくす
●滑りにくい床材を使用する
●車椅子が通れる通路幅を考える
●玄関から居室への動線をコンパクトにする
●ドアを引き戸にする
手すりやスロープは、注文住宅が完成してから後付けすると、もとのスペースが狭くなる可能性が高いです。
そのため、スロープや手すりなどははじめから導入しておきましょう。
また、ドアは前後に開閉するより真横へ平行にスライドさせる扉の方が、開閉時の負担が少ないうえ、衝突する危険が減らせます。
平屋の注文住宅をおしゃれにバリアフリー化するポイント
平屋の注文住宅を建てる際、できるだけおしゃれにバリアフリー化するためのポイントを下記について、それぞれ解説します。
●部屋の区切りを少なくする
●健具を減らす
●収納スペースを十分に確保する
●外構の動線をスムーズにする
部屋の区切りを少なくする
部屋の区切りをできるだけ少なくすることで、扉の開閉時の負担が少なくできます。
また、車椅子や歩行補助具を使用した移動がスムーズになり、生活の利便性が向上するでしょう。
広い空間は視覚的にも開放感を与え、心理的なストレスを軽減する効果もあります。
さらに、段差をなくしてフラットな床面を確保すれば、転倒のリスクも減らせるでしょう。
ただし、プライバシーや音の問題、目的ごとに空間を仕切りたい場合は、必要に応じて可動式のパーティションやカーテンの利用をおすすめします。
健具を減らす
注文住宅をバリアフリー化するなら、健具をできるだけ減らしましょう。
健具とは、戸や窓やふすまに障子など、可動領域とそれらを支える資材などをあわせた総称です。
つまり健具を減らすことで、可動が必要な箇所が減るため、生活におけるストレスを軽減できます。
しかし、窓は日当たりを感じるために必要な健具であり、減らし過ぎてもかえってストレスを感じる場合もあるでしょう。
健具の設置場所や数のバランスは、注文住宅の担当者とよく相談しましょう。
収納スペースを十分に確保する
バリアフリー化した注文住宅を建てる際は、収納スペースを十分に確保しましょう。
とくに平屋の場合は、間取りが限られているため収納スペースが少なくなりがちです。
車椅子や歩行補助具を使用する方が、ケガのリスクが軽減できます。
そのため、生活補助のための器具を収納するスペースが必要です。
また、収納スペースが少なく物が散乱した状態では、転倒リスクが増えるうえ動線がスムーズではありません。
とくに、生活を補助する器具のほか、日常的に使用する物品をすぐに取り出せる位置に収納することが重要です。
たとえば、車椅子使用者が手の届く高さに収納を設置すれば、利便性が向上するでしょう。
部屋全体のスペースが有効活用できるような工夫が大切です。
外構の動線をスムーズにする
注文住宅のバリアフリー化といえば、内装や間取りを考えがちですが、外構も重要です。
とくに外構は、外の道路とつながっていたりプライバシーの確保が必要だったりして、動線が複雑になりがちです。
しかし、外構における動線をスムーズにすることで、外出のストレスを少なくできるでしょう。
玄関扉から道路までの道を幅広く設計し、段差を設けないようにしましょう。
道路と玄関の間にどうしても高低差が生じる場合は、スロープと手すりを設けます。
さらに、門を設置する場合は引き戸がおすすめです。
2階建ての注文住宅をおしゃれにバリアフリー化するポイント
2階建ての注文住宅を建てる際、できるだけおしゃれにバリアフリー化するためのポイントを下記について、それぞれ解説します。
●階段の傾斜を緩やかにする
●リビングの隣に多目的スペースを設ける
●トイレは1階と2階に設置する
階段の傾斜を緩やかにする
バリアフリー化した注文住宅で2階を設ける際は、階段の傾斜を緩やかに設計してもらいましょう。
一般的に、階段の傾斜は30度以下が望ましいとされています。
30度以下であれば、上り下りがしやすくなり、転倒のリスクが減らせます。
また階段の幅を広くし、手すりを両側に設置すれば、より安全に階段を上り下りできるでしょう。
さらに、階段の段差を低くし、滑りにくい素材を使用しましょう。
滑りにくい素材を使用する場合は費用が高くなる傾向にあるため、滑りにくくするシートを後付けで設置することもできます。
リビングの隣に多目的スペースを設ける
2階建てを作る場合は、あらかじめ1階のリビングの隣を多目的スペースとしてあけておきましょう。
通常は1階と2階で生活しますが、将来的に階段の上り下りがきつくなった場合、1階のみで生活します。
そのときに多目的スペースがあれば、2階に寝室や作業場を設けていた場合でも、1階の多目的スペースを活用できます。
1階で生活のすべてがまかなえたら、2階へ行くことも少なくて済むでしょう。
トイレは1階と2階に設置する
2階建てを立てる際は、1階と2階それぞれにトイレを設置しましょう。
ある程度年齢を重ねた際、夜間多尿や高血圧などが起こる可能性があることから、寝室とトイレが近くにある方が安心です。
そのため、将来的に2階へ上がらず1階のみ使用する場合、2階のみにトイレがある場合は不便でしょう。
また、2階に寝室があり1階にしかトイレがない場合は、上り下りが面倒です。
1階と2階の両方にトイレを設けた方が、将来長い目で見たときも安心といえます。
バリアフリー化した注文住宅の費用相場
1階の間取りを3LDKにする場合、バリアフリー化した注文住宅を建てる際の費用相場は下記のとおりです。
●平屋:約1,000万~3,000万円
●2階建て:約2,000万~4,000万円
※家を建てる地区や住宅ローンの金利により、実際の費用は大きく異なります。
ローコストであれば、新築の注文住宅でも1,000万円前後で購入できる場合があります。
すでに注文住宅を建てており、あとからリフォームしてバリアフリー化にする場合は、約500万~1,000万円の費用が発生します。
リフォームであとからバリアフリー化した方が総額費用は大きいため、注文住宅を建てる際のバリアフリー化がおすすめです。
新築の注文住宅で利用できるバリアフリー化補助金制度
新築の注文住宅を建てる際、国土交通省が行っている「子育てエコホーム支援事業 バリアフリー改修」が利用できる可能性があります。
当制度の概要は下記のとおりです。※詳細は公式サイトをご覧ください。
対象となる工事の基準 | ・手すりの設置 ・段差解消 ・廊下幅等の拡張 ・衝撃緩和畳の設置 |
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対象工事ごとの補助額 | ・手すりの設置:5,000円/戸 ・段差解消:7,000円/戸 ・廊下幅等の拡張:28,000円/戸 ・衝撃緩和畳の設置:20,000円/戸 |
申請方法 | 公式サイトより「性能を証明する書類」と「工事が行われたことを証明する書類」をダウンロードして窓口へ提出する。 |
国による事業のため、信頼性が高く、条件に合えばだれでも利用できます。
そのほか、介護保険によっては住宅改修における補助金が受けられる場合が多いです。
介護保険に加入されている場合は、利用規約や要項を見直し、利用できる内容がないか確認してみましょう。
さらに、お住まいの自治体によっては、バリアフリー化に伴い補助金を提供してくれる制度が設けられている場合があります。
市役所などで問合せ、利用できる制度がないか相談してみましょう。
まとめ
バリアフリー化した注文住宅を建てる際は、通常よりも費用が多く発生する可能性があります。
しかし、リフォームによりバリアフリー化を後付けする場合と比較すると、総額費用に大きく差が出るため、注文住宅を建てる際にまとめて導入した方がお得です。
バリアフリー化した注文住宅を建てる場合は、バリアフリー化の実績が豊富な工務店へ依頼することをおすすめします。
大阪市羽曳野市の「森下技建」なら、バリアフリー化の注文空宅の建設およびリフォームを承っております。
下記よりお気軽に、お問い合わせください。