公開日 : 2024年10月17日(木)

最終更新日 : 2024年10月16日(水)

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注文住宅に駐車場を設置するときのポイントとは?必要性や費用相場を解説

この記事を読んでいるあなたは、

◎車を持っているけれど、注文住宅に駐車場をつけた方がいい?

◎駐車場を設置するときの、ポイントや注意点は?

◎注文住宅の駐車場は、どれくらいの費用がかかる?

 

このような疑問を持っているかもしれません。

自家用車を持っている場合は、注文住宅に駐車場の設置を検討する人も多いでしょう。

この記事では、注文住宅に駐車場を設置すべきかどうか判断する際のポイントについて解説します。

また、駐車場の広さや設計の決め方、費用相場についてもお伝えします。

この記事を参考に、あなたの注文住宅に駐車場を設置するときの設計や費用などを、シミュレーションしてみてください。

駐車場は必要?判断する時の2つのポイント

注文住宅に駐車場が必要かどうか、判断するときのポイントは2つあります。

 

充分な駐車スペースを確保できるか

駐車場を設置したい場合は、必要な広さを確保できるか確認するのが重要です。

狭い土地に注文住宅を建てる場合、駐車場を設置したことで、住宅本体の広さを十分に確保できなくなる恐れがあります。

自家用車は近くの駐車場を借りられますが、寝室や台所などは必ず家の中におさめなくてはなりません。

まずはメインとなる住宅のために必要な広さを計算し、駐車場のためにどれくらいのスペースを残せるか調べましょう。

充分なスペースを確保できない場合は、駐車台数を減らしたり、駐車場を設置しない選択をしたりするのがおすすめです。

 

費用に見合った駐車場になっているか

駐車場を設置するか悩んだら、駐車スペースを設置するためにかかる費用と月極駐車場に支払う費用やメリットを比べてみましょう。

たとえば、住宅と一体型になったビルトインガレージを設置するとします。この場合、屋外に駐車場を設けるよりも必要なスペースが少なくすむ、車をきれいに保てるなどのメリットがあります。

しかし工事のためには、200~400万円ほどの高額な費用がかかります。

数百万円の工事費用は、自宅の敷地内に駐車場を設置することのメリットに見合わないと考える人もいるでしょう。

その場合は、近くの月極駐車場を借りる選択肢もあります。

駐車場の形式や土地代で費用を算出し、支払う金額に見合ったメリットが得られそうか検討してみてください。

 

駐車場を決めるときの6つの要素

駐車場を決めるときの要素は、以下の6つです。

 

◎台数・駐車スペースの広さ

◎駐車場のデザイン

◎駐車の仕方

◎地面部分の素材

◎照明・エクステリア

◎防犯システム

 

順番に解説していきます。

 

台数・駐車スペースの広さ

駐車場に必要な広さは、自家用車の大きさや停めたい台数によって変わります。

たとえば軽自動車1台分であれば、横幅2.4m×奥行4.3mほどの広さが必要です。

ワンボックスカー1台分なら、横幅2.7m×奥行5.7mのスペースが目安となります。

また駐車場に自家用車を停めた状態で、両側から余裕を持って乗り降りするには、車種を問わず3.5mの横幅を確保するのがおすすめです。

ゆとりがないと自家用車を傷つけてしまったり、車いすでの乗り降りが難しくなったりする原因となります。

今より大きな車を購入する可能性もあるため、駐車場は広めのスペースを確保するのが大切です。

 

駐車場のデザイン

駐車場のデザインは、主に以下の4種類です。

 

◎オープン

◎カーポート

◎ガレージ

◎ビルトインカレージ

 

最も手軽に設置できるオープンタイプは、屋根や壁がない屋外にある駐車場です。

そこに支柱を使って屋根を設置すると、カーポートタイプの駐車場になります。カーポートは、屋根がついているため、ある程度は天候から自家用車を守れるメリットがあります。

ガレージタイプは、屋根と3方向以上の壁がついた駐車スペースです。より頑丈で、シャッターを付ければ盗難やいたずらから車を守れる利点もあります。

ビルトインカレージは住宅の一部が駐車場になっているもので、狭い土地でも設置しやすい駐車スペースです。工事費はかさみますが、大切な車を安全に保管することができます。

 

駐車の仕方

駐車場を設置する際は、以下の3つから車の停め方を選択します。

 

◎直角駐車

◎縦列駐車

◎並列駐車

 

直角駐車と縦列駐車は、道路に対して直角に車を停めます。2台目以降の車を停めたい場合、直角駐車では車同士が隣り合い、縦列駐車では1台目の後ろに2台目がつく形態になります。

また並列駐車は、道路に対して並行に車を停める方法です。

車の台数やスペースの広さ、車の停めやすさを考慮して、駐車の仕方を選ぶようにしてください。

 

地面部分の素材

地面部分の素材は、おもに以下の4種類です。

 

◎砕石

◎土

◎アスファルト

◎コンクリート

 

それぞれのメリットとデメリットは、以下の表の通りです。

 

地面の素材メリットデメリット
砕石安価。防犯性に優れている。砕石で車を傷める場合がある。駐車時の音がうるさい。
安価。砕石よりも、駐車の際に鳴る音が静か。水が溜まる場合がある。車が土で汚れやすい。
アスファルト水はけが良い。車を傷めづらい。熱がこもりやすい。工事費が高いが、コンクリートよりも維持費がかかる。
コンクリート耐久性に優れている。メンテナンスが手軽。車を傷めづらい。設置時と撤去時の工事費が高い。

駐車場の設置にかけられる予算や優先したいポイントを整理して、地面部分の素材を選んでみてください。

 

照明・エクステリア

照明やエクステリアを決めて、駐車場の外観を整えるのも大切です。

たとえば駐車場に照明をつければ、夜でも人や荷物の出入りがしやすくなります。また植栽やカーゲートなどのエクステリアを設置すれば、住宅全体をおしゃれに演出することができます。

電気自動車を使っている場合は、充電器を設置するのも重要です。屋外コンセントを用意して、車にケーブルが届くようにしましょう。

これから電気自動車を使用する可能性がある人も、最初の工事の段階で設置するのがおすすめです。工事の手間や人件費を抑えられるほか、後からスペースが足りなくなるのを防げるメリットがあります。

 

防犯システム

駐車場を設置するなら、防犯システムも用意しておきましょう。

車の盗難やいたずらを防ぐために、防犯カメラや人感センサーライトを設置するのがおすすめです。

またガレージであれば、シャッターを取り付けることで車が盗まれる確率を下げることができます。

カーポートを設置する場合でも、カーゲートを組み合わせることで防犯性を高められます。

車は高価なものなので、盗まれたりいたずらをされたりした際の代償は大きいです。「うちは大丈夫」と油断せずに、駐車場を設置する段階で防犯システムを整えましょう。

 

駐車場設置の費用相場

駐車場を設置するためにかかる費用は、駐車場のタイプや広さ、地面の素材によって異なります。

駐車スペースが車1台分の場合、タイプ別の費用相場は以下の通りです。

 

◎オープンタイプ: 20万円前後

◎カーポートタイプ:30~40万円

◎ガレージタイプ:100~300万円⁻分

◎ビルトインカレージ:200~400万円

 

車2台を停められる駐車場にしたい場合、費用はおよそ2倍になるとして計算しましょう。

またオープンタイプやカーポートタイプの駐車場にする場合、地面に使用する素材によっても価格が変動します。

地面の素材は、価格が低い順に、砕石→土→アスファルト→コンクリートです。

 

失敗しない!駐車場設置のポイント

駐車場設置で失敗しないためのポイントをご紹介します。

 

駐車場の横幅は十分にゆとりを持たせる

駐車場の横幅は、車種を問わず1台あたり3.5mほどの広さを確保しましょう。

たとえば、車をぎりぎり2台停められるスペースにした場合、駐車場の中でドアを開閉するのが難しくなります。勢いよくドアを開けてしまった際に、車が傷ついて高額な修理代がかかる場合もあるでしょう。

また駐車場の横幅が狭いと、車を停める際に何度も切り返しが必要になり、出し入れが手間になってしまいます。

駐車場を設置する際は、十分な広さを確保するのが大切です。

 

メンテナンスしやすい駐車場にする

駐車場のメンテナンスがしやすいと、注文住宅の外観をきれいに保ちやすくなります。

たとえば、オープンタイプやカーポートタイプの地面に砕石や土を使用するなら、定期的に補充して量を保つ必要が生じます。

地面の素材がアスファルトの場合も、熱や経年によって変化するため定期的な修繕が必要です。

いずれも放置すると、外観が良くない上に、水はけが悪くなってしまうため注意してください。

またカーポートタイプなら、シャッターの不具合や落ち葉による汚れなどを確認したりする必要があります。

住宅全体の印象を良い状態で保ちやすくするために、メンテナンスの手間を考えて駐車場を選びましょう。

 

固定資産税を考慮する

ビルトインガレージやガレージタイプの駐車場尾は、固定資産税が発生します。

駐車場が広くなればなるほど、固定資産税が上がっていくので注意してください。

またカーポートタイプの駐車場は、3方向以上を壁に囲まれていないため、固定資産税の対象外です。

しかし自治体によっては、カーポートも課税の対象になる場合があります。

駐車場を設置する前に、注文住宅を建てる予定の自治体について調べ、固定資産税の規定を確認しておきましょう。

 

まとめ

この記事では、注文住宅に駐車場を設置すべきかどうか判断する際のポイントについて解説しました。

注文住宅に駐車場を設置する場合、十分な広さを確保でき、費用に見合ったメリットを得られることが重要です。

駐車場の設置によって住宅本体の広さが圧迫される場合や、予算に見合わない工事費の場合は、月極駐車場にするのも良いでしょう。

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