公開日 : 2024年6月13日(木)

最終更新日 : 2024年6月13日(木)

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注文住宅で太陽光発電はやめた方がいい?家庭用ソーラーパネルの設置について詳しく解説!

この記事を読んでいるあなたは、

◎ 太陽光発電が気になっているけれど、本当に得するの?

◎ ソーラーパネルを設置するメリット・デメリットは?

◎ 太陽光発電を導入すると、どれくらい費用がかかる?

このような疑問を持っているかもしれません。

 

太陽光発電とは、屋根の上にパネルを設置して太陽の光を集め、電気を作る発電方法です。

ソーラーパネルを設置して太陽光発電をすれば、家で使う電気を賄えたり、発電した電気を売って副収入を得たりするメリットがあります。

一方で、決して安くはない初期費用がかかったり、天気によって発電量が左右されたりするデメリットもあります。

この記事では、太陽光発電のメリット・デメリットや設置にかかる費用についてご紹介します。

新たに注文住宅を建てる際の参考にしてみてください。

 

太陽光発電とは

「太陽光発電」の基本情報や仕組みについて、順番に解説します。

 

◆太陽光発電とは

太陽光発電は、屋根の上にパネルを設置して太陽の光を集め、電気を作る発電方法です。

屋根に設置したソーラーパネルに太陽光が当たって発電される仕組みで、広い敷地がない個人宅であっても始められます。

自宅の太陽光発電で作られた電気は、基本的に自分の家で利用します。

また家庭内で使いきれなかった電気は電線網に戻って周辺で使われる場合もありますが、事前に手続きすれば電力会社へ売ることも可能です。

 

◆太陽光発電の仕組み

太陽光発電で電気が作られる仕組みは、おおまかに3ステップです。

まずソーラーパネルに太陽の光が当たり、エネルギーが作られます。

次に集められた太陽光がパワーコンディショナーに送られ、直流電流から交流電流へ変換されます。

最後に交流電流が分電盤へ送られ、電気を使う機器へ振り分けられます。

ここで重要なのは、太陽光発電はソーラーパネルだけで完結するわけではないという点です。

ソーラーパネル以外にも必要な設備があると理解しておきましょう。

 

◆太陽光発電で必要な設備

太陽光発電で必要になる設備は、以下の5つです。

 

設備の名称太陽光発電での役割
ソーラーパネル屋根の上に設置し、太陽の光を集める設備。
パワーコンディショナーソーラーパネルで集めた大洋の光を、家庭で使える交流電流へと変換する設備。
分電盤パワーコンディショナーで変換された交流電流を、電気機器ごとに振り分ける設備。
電気メーター外部の電線と接続し、流れている電気の量を測定する設備。
【任意】蓄電池作った電気を貯めておく設備。

蓄電池は必須ではありませんが、昼間に作った電気を貯めて夜間に使用したり、災害時に使えたりするため設置のメリットは大きいです。

 

ソーラーパネルを設置するメリット

注文住宅にソーラーパネルを設置するメリットは、おもに以下の5つです。

◎ 光熱費の節約になる

◎ 電気を売れば副収入になる

◎ 環境に配慮した暮らしができる

◎ 停電時も電気を使える

◎ 住宅の断熱性が上がる

1つずつ解説していきます。

 

◆光熱費の節約になる

太陽光発電の導入は、光熱費の節約につながります。

電気料金は、昼間が高くて夜に安くなるプランがあります。また太陽光発電は、昼間に発電して暮らしに必要な電力をまかなう方法です。

そのため昼間は発電した電気を使い、夜は電力会社から電気を供給してもらえば、効率よく光熱費を抑えられます。

蓄電池を設置すれば発電したけれど使わなかった電力を売れるため、電気代を実質無料にできるかもしれません。

光熱費は生活の中で必ずかかる費用であるため、長期的に見れば大きく家計を助けてくれるでしょう。

 

◆電気を売れば副収入になる

ソーラーパネルで発電して使わなかった電気は、電力会社に売れば副収入になります。

はじめの数年間は初期費用を回収するための売電ですが、設備のメンテナンスをきちんと行えば、その後は継続して収入を得ることが可能です。

売電による収益は、雑所得として扱われます。

収入から経費を引いた金額が20万円/年を超える場合は、確定申告が必要です。そのため売電する際は、他の雑所得とあわせて20万円を超えないように注意してください。

 

◆停電時も電気を使える

ソーラーパネルなどに加えて蓄電池を準備すれば、急な停電時も電気を使用できます。

日本は災害が多い国で、どの地域に住んでいたとしても停電に見舞われるリスクが高いです。

停電すれば冷蔵庫やエアコンが使えなくなり、あっという間に生活しづらくなります。

また停電が長期化すれば、洗濯機やスマートフォンの充電などができなくて困る場面もあるでしょう。

太陽光発電とあわせて蓄電池を導入すれば、普段から余った電気を貯めておけるため安心です。

もしもの事態に備えて、日頃から無理なく対策できるのも魅力です。

 

◆環境に配慮した暮らしができる

太陽光発電を導入すれば、日常生活の中で無理なく環境に配慮した暮らしを送れます。

日本で作られている電力の多くは火力発電によって生み出されており、多くの二酸化炭素や硫黄酸化物などの有害物質を排出しています。

また火力発電で使用する天然ガスや石炭は、地球上の有限な資源です。

一方で太陽光発電は大気を汚す物質を生み出さずに電力を作れるため、環境にやさしい暮らしができます。

また太陽光は資源を使い果たしてしまう心配がない点においても、地球にやさしい発電方法です。

日頃から環境問題を気にし続けながら生活するのは大変だと感じる人もいるでしょう。

しかし一度太陽光発電を導入すれば、継続的して地球温暖化対策に貢献できるメリットがあります。

 

◆住宅の断熱性が上がる

屋根の上にソーラーパネルを設置すると、住宅の断熱性が上がるメリットがあります。

屋根になにもない状態だと直射日光によって室内の温度が上がりやすいです。

しかしソーラーパネルがあれば太陽の光や熱を吸収してくれるため、室内の温度を快適に保てます。

夏の暑さや冬の寒さがやわらげば、電気代をさらに下げられるメリットもあります。

 

太陽光発電はやめたほうがいい?ソーラーパネルのデメリット

太陽光発電の導入を考えている人の中には、今から導入しない方が良いという話を聞いた人もいるでしょう。

太陽光発電には、以下のようなデメリットがあります。

◎ 発電量が気候に左右される

◎ 初期導入やメンテナンスのコストがかかる

◎ 10年ほど経つと売電が難しくなる

1つずつ紹介していきます。

 

◆発電量が気候に左右される

太陽光発電には、発電量が天気や日照時間に左右されるデメリットがあります。

太陽光発電はその名の通り、太陽の光が差し込んでいる状態でなくては電気を作れません。

そのため天気の悪い日が続くと、必然的に発電量が減ってしまいます。

はじめにシミュレーションで発電量を調べたときの値からは変化する可能性があると、理解しておきましょう。

特に年間を通して日照時間が短い地域に住んでいる人は、設置前の発電量をよく確認しておくのが大切です。

天気が悪くても自家発電した電気を使いたい場合は、蓄電池を導入しておくのがおすすめです。

またソーラーパネルに取り付ける「モジュール」という部品は、日照時間が短くても発電量が減りづらいタイプがあるため、導入してみてください。

 

◆初期導入やメンテナンスのコストがかかる

太陽光発電は、はじめに設備を導入する際やメンテナンス時にコストがかかってしまいます。

一連の設備を導入するためには、100万円以上の費用がかかります。太陽光発電が普及し始めた当初よりは費用が下がったとはいえ、高額です。

またソーラーパネルは太陽光や雨風によるダメージを直接受けるため、定期的な点検が必要です。

日々の稼働力を安定させ、できるだけ長期的に多くの電気を発電できる状態にするためには、費用や手間がかかります。

太陽光発電を導入する際は、初期費用だけでなく長期的な視点を持ってコストを計算するとよいでしょう。

 

◆10年ほど経つと売電が難しくなる

太陽光発電の売電は、10年ほどで難しくなる場合が多いです。

太陽光発電で作られた電気を売るプランでは、10年をすぎると売れなくなったり、価格が大幅に下がったりする可能性が高いです。

そのため太陽光発電を導入して10年経ったら、電力を売る先を見直したり、蓄電池を設置して自分の家だけで使える仕組みを作ったりする必要があります。

長期的なメリットやデメリット、コスト回収の見込みなどを考慮して、導入するかどうかを決めるようにしましょう。

 

太陽光発電の初期費用は100~250万円

太陽光発電を最初に導入する際の費用は、工事費やソーラーパネル以外の料金も含めて100~250万円ほどが目安です。

太陽光発電を設置する際にかかる費用は、ソーラーパネルの料金だけではありません。

パワーコンディショナーや分電盤などの設備や、設置のためのコストがかかります。また災害時や夜間の電気をまかなうためには、蓄電池を追加する必要があります。

初期費用は決して安くないため、長期的に売電するなどしてコストを回収するとよいでしょう。

また太陽光発電の初期費用は、年々下がっている傾向があります。

これから注文住宅を建てる人は、以前よりも初期費用を取り戻しやすくなっているといえます。

 

まとめ

この記事では、太陽光発電のメリット・デメリットや設置にかかる費用についてご紹介しました。

太陽光発電は、自宅で使う電気を自家発電できたり、発電した電気を売って副収入を得られたりするメリットがあります。

また蓄電池を一緒に導入すれば、夜間や災害時であっても電気に困る心配が少なくなります。

一方で、天候によって発電量が不安定になったり、導入時やメンテナンス時にコスト屋根の上にパネルを設置して太陽の光を集めがかかったりするデメリットもあります。

メリットとデメリットの両方を考慮したうえで、太陽光発電の導入を検討してみてください。

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