注文住宅において、窓は非常に重要な役割を果たします。
窓から見える景色が良好ならば、それだけでも住人へ視覚的に良い影響を与えてくれるでしょう。
また光を取り入れ、風通しを良くするだけでなく、プライバシーや防犯の確保にも役立ちます。
今回は、注文住宅における窓の役割と窓の種類、設置する際に考慮すべきポイントについて解説します。
注文住宅に取り付ける窓でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
注文住宅における窓の役割とは?
注文住宅の窓は、建物において最も重要な役割を果たすと言っても過言ではありません。
窓の主な役割は以下の通りです。
◆日光の取り入れ:窓は太陽光を建物内に取り入れ、室内の明るさを確保します。十分な自然光は視覚的な快適さを提供し、電気代の節約にも役立ちます
◆風通し:窓を開けることで新鮮な空気を室内へ取り入れ、空気の循環が行われます。これにより、常に室内の空気が新鮮で快適になります。
◆温度調節:窓は室内温度の調整に役立ちます。窓を開けることで室内温度が調整できますし、密閉すれば外部の気温の影響が受けにくくなります。
◆眺めや景観:窓からの眺めは、生活を豊かにしてくれます。住人に対して視界から穏やかな気持ちにさせてくれるでしょう。そのため適切に配置することで、外の眺めや景観を最大限に活用できるでしょう。
◆防犯とプライバシー:窓は、外部の監視からプライバシーを守ってくれます。また防犯にも役立つでしょう。さらに、適切な窓の設計やカーテン、ブラインドなどを使用するとより効果的です。
◆防音:窓には、外部からの騒音を遮断する効果があります。遮音性の高い窓や二重窓などを使用することで、静かな環境が維持できるでしょう。
◆断熱:窓は建物の断熱性能に影響を与えます。というのも適切な窓の断熱材や二重窓などを使用することで、暖房と冷房のコストが削減できます。
注文住宅の窓の種類
注文住宅に設置できる窓の種類は非常にたくさんあり、どれを選択するか迷ってしまうでしょう。
窓の種類と、それぞれの特徴やメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
引き違い窓
窓枠内で上下または横方向にスライドして開閉する、一般的な窓です。
通常2つ以上のガラスから構成されており、一方のガラスを固定してもう片方をスライドさせて窓を開け閉めします。
開放感があり、風通しの良い窓として人気です。
縦(横)すべり出し窓
全開せず、やや隙間を開ける程度に開閉できる窓です。
すべり出し窓は、夏の暑い日に涼しさを確保するためにも使用されます。
少々隙間を開けることで、風が部屋内に通り、涼しい風を享受できるでしょう。
上げ下げ窓
上下にスライドさせることで開閉できる窓です。
枠や下枠を中心に回転軸があり、窓を上方または下方に移動させることによって開閉するタイプもあります。
開ける範囲を上下ともに調整できるため、風通しやプライバシーを守る際に効果的です。
ルーバー窓
風通しを確保しつつ、外部からの気温や雨を遮るために設計された窓です。
ルーバー窓は、上下または横方向に可動する短冊形の窓が配置されており、ハンドルなどで開閉できるように設計されています。
また雨風をしのぎつつ、風を部屋に取り入れて室内の換気を良くしてくれます。
FIX窓
建物の壁に固定され、開閉できない窓のことです。
主にデザイン性を重視するために設置することが多く、日差しを取り入れたい場合にも最適です。
窓際に観葉植物を置いたりブラインドを取り付けたりして楽しむこともできます。
片開き窓・両開き窓
片開き窓は、窓の片側が固定されて一つの方向へのみ開けることができる窓です。
一方で両開き窓は、2枚のガラスの中心に取っ手が付いており、外へ向かって両開きができる窓です。
両方とも外側へ向けて開けられるタイプが多く、ストッパーを用いることで風通しをよくします。
スリット窓
非常に細長いスペースの窓です。
幅を取らないため、高さは高いものから低いものまでさまざまなものが設置できます。
デザイン性が高く、細い隙間から漏れる日差しが、部屋の中をほんのり明るくしてくれます。
出窓
建物の壁から外側へ突き出した窓です。
部屋が広く見え、デザイン性にも優れています。
日差しがよく当たるため、窓際には植物や小物などいろいろなものを置いて楽しむことができます。
地窓
日本の伝統的な建築様式において使われることが多い窓で、床から近い、比較的低い位置に設置されており、座っている間に外の景色が楽しめるようになっています。
和風の建物によく合うデザインを持っているため和室や茶室などで設置するのがおすすめで、開閉できないタイプもあります。
ひじ掛け窓(腰高窓)
窓の下部に水平に突き出たひじ掛けがあり、このひじ掛けの上に座ることができます。
座ってくつろぎながら外の景色が楽しめるため、眺めがよい場所に設置することがおすすめです。
また伝統的な和室や茶室で見かけることも多く、同様に和室へ設置する方法もおすすめです。
高窓
床からかなり高い位置に設置されており、外の景色を見る用途には適していません。
外部の光を取り入れるための窓として主に使用されます。
風通しを確保するための小さな開口部があり、高い位置にあるため、冷気や暑さが直接室内に入り辛くなり、室内の気温を調整するのに役立ちます。
天窓
高窓よりも高い位置や天井に設置される窓です。
天井から室内へ自然光を入れるための方法として使用され、空間がより明るく、開放的に感じられるようになるでしょう。
通常、専用の棒を用いて開閉でき、室内の換気もできます。
また暑い季節には冷たい空気を取り込み、湿度や室温が調整できるでしょう。
また天窓が設置された屋根裏空間は、収納スペースや追加の部屋として活用されることもあります。
天窓があることで屋根裏に光を与え、開けておけば湿気を防ぎます。
窓の位置を決めるポイント
種類やデザインのほかにも、窓を決めて設置するうえで併せて考慮したいポイントがあります。
窓の設置一つで部屋の雰囲気がガラリと変化するため、確認ポイントをおさえて、自分にとって理想の窓を取り付けましょう。
外の眺め
窓は外と家の中をつなぐ数少ない設備といえるでしょう。
そのため家の中から見える景色は非常に重要です。
リビングルームや寝室ならば毎日のように使用するスペースなので、美しい景色や自然光を楽しむことができる窓ならば快適な生活空間を作るでしょう。
一方で倉庫やガレージなどは、基本的に視線が空間内に向いているため、景色は関係ないと言えます。
風通しを良くして湿気を防ぐために取り付けることはありますが、景色を楽しむ用途では基本的には設置しません。
また仕事部屋など、ある程度のプライバシーが確保される必要のあるお部屋も、日射や風通しを優先させたほうがよいでしょう。
風通し
窓の設計と風通しは、建物の快適さと居心地の良さに大きく影響します。
自然の風を取り込むことで、常に新しい空気が空間内に流れるような仕組みづくりが大切です。
また空気がこもりやすい場所や流れが悪くなるような場所では、湿気やカビの原因になります。
夏は暑く冬は非常に寒くなるため、風を循環させることで室内の温度を調整できます。
すぐ目の前に、隣の建物の壁が来る場所への設置は望ましくないでしょう。
開放的な場所へ取り付けて風通しがよくなるかも、窓の設置場所を探すポイントです。
デザイン性
窓も、建物や部屋の外観と内観に大きな影響を与える要素です。
窓のデザインは建物の個性を表現し、空間全体の美しさを向上させてくれるでしょう。
美しい窓のデザインは一つあるだけでも建物の印象が大きく異なり、建物の外観も、周囲の環境に調和しながら個性を引き出してくれます。
さらに独創的な窓は、日差しが差し込んだ際に、居室内にユニークな模様や芸術的な形の影ができあがります。
窓の形状・サイズ・色・素材などをカスタマイズし、自分にとってお気に入りの窓を見つけましょう。
お手入れのしやすさ
窓は外気に触れているため非常に汚れやすいです。
汚れが付いたり曇ったりした窓は建物の外観を大きく損ねるため、頻繁な掃除やお手入れが必要です。
そのため窓枠が複雑な形状をしていたり掃除がしにくい隙間などが多かったりする場合は、カビや汚れが溜まりやすくなるでしょう。
天窓など高い位置にある窓は専用の長い道具で掃除できますが、複雑な形状をしている場合はそれだけお手入れしにくくなってしまうでしょう。
掃除がしやすいかどうか?その観点からも窓選びは重要です。
採光性
窓の採光性は非常に重要です。
採光性とは、窓が自然光を室内に取り入れる能力の高さを表しており、高いほど日差しを多く取り入れてくれるということを表しています。
自然光が多く入ってくることで室内が明るくなり、照明を付ける必要がなくなるため電力消費の削減に役立ちます。
また窓からの自然光を浴びることで、室内の装飾や家具などがより魅力的に見えることがあります。
窓から差し込む日差しには、内部の美しさを引き立てる役割もあるのです。
採光性を最大限に活用するためには窓の配置、サイズ、デザイン、およびガラスの種類も重要です。
過度な日差しや過熱を防ぐために日除けやカーテンも適切に調整しましょう。
まとめ
注文住宅における窓の役割は、明るさや風通しの良さを与えてくれるだけでなく、プライバシーや防犯の確保、近所や周囲の防音からも守ってくれます。
また窓を選ぶ際は、デザインも重要ですが、機能性やその場所に窓を設置する目的などを明確にすることで、入居後の生活が豊かになるうえ、余分な窓を設置することがないためコストの削減にもつながります。
窓について解決できない問題や疑問点があれば、お近くの工務店やハウスメーカーに尋ねてみるとよいでしょう。
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